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瞑想世界182
親を脅かすもんじゃないわよと、母さんが言った。
僕は言った。
「母さん、俺が所帯持つの楽しみにしているのか?」
母さんが言った。
「それはそうよ。私だっていつまでも若くないし孫の顔だって見たいしね」
「俺に子供なんか出来るのかな?」
「あんた子種無いの?」
僕はたじたじとなりながらも答えた。
「いや、それはあるよ、多分」
母さんが笑い言った。
「だったら出来るに決まっているじゃないか。親を脅かすもんじゃないわよ、本当にもう」
「母さん、随分肩凝っているな。これ痛いだろう?」
悲鳴を上げて、母さんが言った。
「痛いわよ。もっと優しくしてよ」




