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瞑想世界181
僕は実家に帰った。
僕は実家に帰った。
いつもと変わらぬ日常風景の中、僕の心は家族の慈しみと安心感に包まれて行く。
家族全員で食事をした後、僕は母さんのマッサージを買って出た。
肩を揉まれながら母さんが言う。
「あんた、どうなの、恋の一つでもしているの?」
照れながら僕は答えた。
「いや、俺もてないからな」
母さんが笑い言った。
「あんたはそういったところ引っ込み思案だから、もっと積極的にモーションかけないと駄目よね」
僕は自虐的に笑い言った。
「いや、好きになれる女の子もいないし、そのせいで、異性に対する気配りとか俺には無いしな」
「野暮ったいのよ、あんたは。少しは気をつけないとね」
僕は再び笑い言った。
「でもこれは生れつきの性分だから、変えようがないしな」
「そんなんじゃ、一生所帯も持てないわよ。分かっているの、あんたは?」
「分かっているよ、そんな事は」
「分かってないから言っているんじゃない。あんたって人は、まったくもう」
僕は笑い、母さんも続けて笑った。




