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瞑想世界179
頭の整理をしてくれと、田村が言った。
僕らは苦渋の選択を迫られて苦悩する。
コーヒーを一口すすり僕は言った。
「俺には出来ない。身内を犠牲にしてまで、勝算のまるで無い闘いに臨む事は出来やしない」
田村が言う。
「だが阻止しなければ俺達をも含め全員死ぬんだぞ?」
僕はひたすら反発する。
「阻止しようが無いではないか。闘いを挑んで、目の前で一人ずつ身内が殺されて行く様を見るのなんて生き地獄ではないか!」
田村が続ける。
「しかし阻止するしかないんだ。考える猶予をやるから、頭の整理をしてくれないか?」




