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瞑想世界177
全面的に撤退するかと、僕は言った。
闇がぼやけ、僕と田村は迷路に降り立った。
僕は田村に尋ねた。
「成美ちゃんを追うか?」
田村が首を振った。
「いや、様子を見よう。肉親を殺されたら、堪ったものではないからな」
僕は言った。
「本当に殺すつもりなのか?」
田村が頷き言った。
「警告と見た方がいいだろう」
「これ以上関わったら殺すという事か?」
「そうだ」
僕は息をつき尋ねた。
「どうするんだ。負けを認めて、全面的に撤退するか?」
田村が渋面を作り言った。
「いや、対応策を協議しながら、様子を見よう」




