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瞑想世界152
それが神かと、田村が言った。
田村の部屋。
書棚に神秘業関連の本が並んでいるのを横目で見遣り、僕は尋ねた。
「どう思う?」
「三次元の生命体と言うか、動物や人間には死の概念があるからな。どうしても時間は流れて行くものとして捉らえるしかないだろうな」
その意見を受けて僕は言った。
「多次元宇宙を支えている時間概念は複数としての単数概念であり、そこには明解な意味での生誕と死の概念は無いと思うんだ。つまり生誕の内側に死があり、死の内側に生誕がある、その連鎖が永遠へと繋がっていると俺は思うんだ」
田村が頷き言った。
「二元論ではなく、一元論の唯々か」
僕は頷いた。
「そうだ。その内側にあって多次元宇宙の一元論が三次元の二元論を凌駕している構造が真理だと俺は考えているんだ」
田村が言った。
「明解に言ってくれないか?」
僕は答えた。
「つまり宇宙創成は時間の流れを度外視した多次元宇宙観の一元論と言うか永遠性が形造っていると思うんだ」
田村が尋ねて来た。
「それが神か?」
僕は頷き言った。
「そうだ。それが単数としての複数宇宙に単一、一元の永遠性を持った破壊神としての村瀬だ」




