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瞑想世界147
二人に出会い、僕と田村の記憶は消し飛んだ。
田村の遠隔瞑想に従い入った大学食堂。
村瀬と成美ちゃんが一緒に食事をしている。
その光景に直面した途端、僕の記憶が消し飛んだ。
断裂を起こした後、その傷が位相の記憶を撹拌、連続消去して行く。
自分が瞑想をやっていた記憶も矮小化、点となり縮んで行く。
田村が言った。
「二人の所に行って、一緒に食事をしよう」
僕は田村を引き止めた。
「田村、村瀬と何を話するのだ?!」
田村が答えた。
「今度四人で行くスノボーの事だろう?」
僕は田村の声を聞き、反射的に頷き答えた。
「そうだな」




