142/270
瞑想世界142
成美ちゃんを捜そうと、田村が言った。
田村が言った。
「それは戦術としては面白いと俺は思う。しかしカオスの坩堝の中、何が起きるか全く予測がつかない分、甘い意見である事も否めないと思う」
僕は答えた。
「これはあくまでも一応の戦術と言うか身構えを提示しているわけだ」
田村が言った。
「それはそれでいいと思う。しかし成美ちゃんの消息が掴めなくなっているんだ」
僕は尋ねた。
「気配を感じないのか?」
「そうだ。お前は感じるか?」
僕は否定した。
「いや、感じない。絶対の死を迎えてしまったのか?」
しばし沈黙した後、田村が答えた。
「それも可能性として捉らえつつ、成美ちゃんを捜そう」




