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瞑想世界14
あらゆる状況で必要に迫られた時、役に立つキーワードなのかと、僕は尋ねた。
僕は尋ねた。
「もし仮にはぐれてしまった場合、どうやって連絡を取り合うんだ?」
田村が答えた。
「使えればの話しなのだが、通信瞑想で心に直接訴えていくつもりではいるんだ」
眉をひそめ僕は言った。
「それが出来なかった場合は?」
田村が抑揚の無い声で答える。
「通信手段が途絶えるだけだ」
その言葉に再び重い沈黙が訪れそうになるのを、田村が忌み嫌うように、続けた。
「後、向こうの世界では、青いビー玉と赤いパラソルがキーワードとなるんだ。それを二人共覚えていて欲しいんだ」
僕は反射的に湧いた疑問符を口に出した。
「それは何の為のキーワードなんだ。用途を言ってくれ」
少し間を置き田村が答えた。
「用途は無い。あらゆる状況に直面して行く中でのキーワードなんだ」
僕は改まった口調で尋ねた。
「あらゆる状況で必要に迫られた時にそのキーワードが役に立つのか?」
田村が頷いた。
「そうだ」




