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瞑想世界128
破壊神が絶対無二か?
村瀬の気配が去り、それを追うように成美ちゃんの気配も消えてなくなった。
実態の無い田村が通信瞑想で僕に訴えかけて来た。
「村瀬の言う事は本当だろうか?」
僕は答えた。
「いや、俺は信じない。瞑想装置である奴の言葉なんか全部出鱈目に決まっているわ」
田村が言った。
「奴は追われるのが嫌なのだろうか?」
僕は頷き言った。
「そうだ。それに違いない。奴は破壊神だからな。最終的には己がアガティスの石ころを蹴って宇宙を破滅に追い込みたいのだろう。だから奴は俺達にアガティスの石ころを蹴られたくないのさ。だからあんな出鱈目を言ったのさ」
田村がしみじみと言った。
「奴はアガティスの石ころを蹴って、宇宙を破滅させ、何か得るものは有るのだろうか?」
僕は頷き言った。
「奴は無限大を手に入れるのさ」
「それが神か?」
僕は相槌を打ち言った。
「そうだ。それが絶対無二の神だろう」




