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瞑想世界125
村瀬が冷笑してうそぶく。
アガティスの石ころの内部。
僕は姿は見えない村瀬に向かい怒鳴った。
「嘘だ。貴様はアガティスの石ころは俺の命の実存と言ったではないか。宇宙自体の実存であるわけがない!」
村瀬が言い切った。
「嘘と言い切れるのか?」
僕はしきりに頷き喚いた。
「嘘だ、嘘に決まっている。全ては可能性論に過ぎないではないか?!」
村瀬がうそぶく。
「勝手にそう思っていればいいさ」
田村が言う。
「ならば俺達の行いの重複がアガティスの石ころを蹴飛ばす伏線となるのか?」
村瀬が愉快そうに答えた。
「ピンポン。複数としての単数を象った重層としての次元宇宙に於ける貴様らの無差別な関連こそが、アガティスの石ころを蹴飛ばす所作と言えよう」
僕は怒りに任せて怒鳴った。
「嘘だ。全部作り話だ。俺は騙されないぞ!」
村瀬が冷笑して言った。
「勝手にするがいいさ」




