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瞑想世界108
大丈夫だと、田村が言った。
震えながら僕は言った。
「これは村瀬がやっているのか?」
田村が答える。
「分からない。カオスの坩堝の中では何でもありだからな。恐怖に飲み込まれて、自我を失った時が、絶対の死を迎える時だろう」
僕は息をつき言った。
「意思の力と言うか意気地だけが、生きる寄る辺となるわけだな」
田村が再度僕を励ます。
「大丈夫だ。俺がついているからな。お前は一人じゃないのだから」
僕はしきりに頷き言った。
「頼むぞ、田村、お前だけが頼りなのだから」
田村が力強く頷き言った。
「大丈夫だ。村瀬を救出しよう!」




