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瞑想世界101
残忍で戦闘的な衝動を僕は抑える。
迷路に突入したのを確かめてから僕は言った。
「村瀬は多次元宇宙で何を目論んでいるのだ?」
田村が答えた。
「それは当然徹底した破壊となるだろうな」
田村に合わせて、僕は歩測を調整しつつ答えた。
「村瀬を追う俺達も瞑想装置の完成体となれば、同じように破壊を目論むのか?」
田村が冷静な口調で答えた。
「それはそうなるだろうな」
僕は目を細め、泣き顔を作り言った。
「その破壊には罪の無い人々を死に追いやる破壊も当然含まれているのか?」
田村が頷き答えた。
「そうだ。だから俺達は愛と友情を瞑想装置と化してしまう事は回避しなければならないのだ」
僕は戦闘的で残忍な衝動を抑えるべく、一つ身震いしてから言った。
「意気地というか、友情を貫く意思の力がものを言うのだな?」
田村が答えた。
「そうだ」




