100/270
瞑想世界100
多次元宇宙に村瀬の分身は無数にいると、田村は言った。
プールからはい上がった田村が言った。
「村瀬は多次元宇宙を自在に動き回っている可能性が高いと思う」
田村と肩を並べている僕はその言葉を訝り尋ねた。
「それはどういう意味だ?」
田村が答えた。
「この世界はあらゆる次元と繋がっている可能性が高く、そこを村瀬の本体と分身が立ち回っているという事だ」
僕は再度訝った。
「本体と分身が全く同じならば、見分けが付かないではないか?」
田村が頷いた。
「そうだな。それもどれだけの分身がいるか分からない状況だからな」
「何かヒントは無いのか?」
田村が息をつき言った。
「ヒントは成美ちゃんとなるだろう」
僕は眉間に皺を寄せ言った。
「成美ちゃんの分身も無数にいるのだろう。何か決め手になるヒントは無いのか?」
田村が答えた。
「今のところ分かっているのは成美ちゃんがヒントだという事だけだ」




