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姫のために死ぬ身なれば 第六話

「もう、完全に噂になってるのよ」

 そう言うクローネンベルクの目は座っていた。

「何が」

「―――あんたが、やりたい放題やってるって」

「何を?」

「何をって……自分の胸に聞いてご覧なさい……ところでユースティアは?」

「仕事に戻るって」

「……あんた、ユースティアとまで何か……」

「何かって……うーん。よくわかんないのよ。あの娘」

 ティアリュートは困惑気味に言った。

「急に泣き出したりして……抱きしめてあげたら収まったんだけど」

「あ、あんたって人は!あんたって人はぁぁぁぁっっ!」

 突然、クローネンベルクが掴みかかってきた。

「な、何よ急にっ!?」

「あの子にまで、何したのよ!?あんた、この城に来てからおかしいわよっ!?この間だって、シュヴァルツと!」

「あの女が何なのよ!第一っ!」

 ティアリュートは、クローネンベルクの手を払いのけた。

「おかしいのはクローネンベルクの方じゃない!ずっと怒ってばかりで」

 昔ならの慣れとでもいうのだろうか。

 ティアリュート自身は、全く意識していないが、ティアリュートとクローネンベルクの顔は、息がかかるほど近い。

 その近さの意味するところに気付いたクローネンベルクの顔が赤くなるが、ティアリュートは全くそのことにさえ気付いていない。

「私……なんかした?それって」

「っ……自分の胸に聞けって」

「クローネンベルクの怒ることなの?」

「……っ」


「……あのぉ」

 ドアの方からした声に振り返ると、ユースティア達が立っていた。

 ユースティアと、カティア姫付きメイドの一人、オーキッドだ。

「お楽しみ、もしくはお取り込み中すみませんが」

 ユースティアは顔を両手で覆って、指のスキマからじっくりと二人を眺めているが、オーキッドは興味津々という顔で訊ねた。

「……とりあえず、修羅場ですか?それとも濡れ場ですか?」

「どっちでもないからっ!」

 クローネンベルクが怒鳴る。

「な、何っ!?」

「探し人です」

「探し人?」

「オパールとプラチナの姿が見えないのですが……ご存じありません?」



 ―――探してきなさい。


 クローネンベルクに命じられたティアリュートは、城の中を探索に出た。

 城の衛兵も、メイド二人が行方不明だという通報が行ってるのは、その動きから間違いないだろう。

 城を取り巻く状況が状況なだけに、皆が殺気立っている。

 衛兵達の殺気立った気配が、肌を貫きそうなほど鋭く、痛い。

 ―――この感覚は久しぶりだな。

 ティアリュートは、かつての軍隊時代を思い出し、心が引き締まる思いがした。

 その横には、ユースティアがいた。

 城の中は、裏方だったユースティアの方が詳しい。下手に歩き回ると逆に衛兵達とのもめ事になりかねない。

 クローネンベルクの、そんな判断があってのことだった。

 ―――最悪のことを考えて。

 クローネンベルクと別れる時、クローネンベルクから二人が手渡されたのは、剣と、城内の武装許可証だった。


 ―――こんなのいらない。


 ティアリュートは、それを突き返そうとしたが、クローネンベルクは無理に押しつけた。

 その顔は真顔だった。


 ―――状況は、すでに戦争なのよ。遊びじゃないのよ。わかるでしょう?


 久しぶりに剣帯をつけ、ぶらさげた剣の重みによろけそうになる。

 ユースティアは背中に背負って平然としていた。

 もしかしたら、この子、私より力があるんじゃないか。

 そう思ったが、考えてみれば、引きこもっていた自分より、日頃からメイドの仕事をしているユースティアの方が力仕事に慣れていて当然だ。


 ―――昔は軽々と持っていたんだけどな。


 少し、鍛えた方がいいな。

 ユースティアがそう思って、剣の鞘を軽く叩いた時だ。


「いたぞっ!」

「見つけたっ!」

 衛兵達が声の元に駆けだしていく。

「ユースティア」

「はいっ!」



 城の構造に詳しくないティアリュートにとって、そこが何かのかはわからない。

 ただ、半分、地下に埋まったその建物は、その構造から地下倉庫か何かの入り口だと、そんな見当だけはつけることが出来た。

 衛兵達が、腰に下げていたライトで室内を照らし出す中、ティアリュート達は、最後に入った衛兵の後に続いた。

「……ユースティア」

「はい?」

「ここは?」

「……あの」

「何?」

「抜け穴の一つです」

「抜け穴?」

「はい。この奥にある抜け穴から外堀まで一気に抜けられます。一番不用心ですけど、一番、緊急時、一番外へ楽に脱出出来る抜け穴でもあります。戦時中ですから、どうするか御当主様も処遇に困っていたと聞いています」

「……ねぇ」

「はい」

「この臭いには……気付いている?」

「……はい」

 ユースティアは固い表情で頷いた。

「……血の臭いです」


「おい!」

 衛兵の粗暴な声が奥の方から二人に飛んできた。

「メイドさんよ!ちょっと来てくれ!」

 ひげ面の、衛兵隊長の腕章をつけた男が怒鳴った。

「女の人にとっちゃ気の毒なモノ、見てもらわにゃならんがね!」



 ペンキかケチャップでも撒き散らしたような真っ赤な液体が、壁と床にぶちまけられている。

 その上に転がっているのは、メイド服を来た人の身体。

 だらりと投げ出された手足には、すでに生気はない。

 血色を通り越して真っ白になった肌の色が、この人物がどういう状況にあるかを教えてくれる。


 つまり、死んでいるのだ。


「……どっちだ?」

 衛兵隊長は訊ねた。

「行方不明とされるのは、二人のはずだ。どっちか判断する決め手はないか?」

「……」

 ティアリュートは、ユースティアが“それ”を見た途端、卒倒するんじゃないかと心配した。

 こんな、線の細い娘が見るには、この光景はキツすぎる。

 何しろ―――

「アタマ潰されているんじゃ、顔から身元判断することが出来ねぇ」

 そう―――

 何か、余程破壊力のあるだろう鈍器か何かで殴られたらしい。

 死体は、下あごから上を完全に潰されている。

 脳漿を撒き散らし、真っ赤になった、かつて頭部を支えていた一部だろう、下あごが、同じようにかつて頭部を構成していた肉や骨と共に、真っ赤に染まっている。

「……」

 ティアリュートの心配を余所に、ユースティアは意外な行動に出た。

 死体のエプロンドレスのポケットに平気で手を突っ込むと、手が血で汚れるのも構わず、ポケットの中をまさぐると、右腕のカフスを外して、腕を見た。

「……オパールさんです」

 驚くティアリュートを後目に、腹の上で死体の手を組ませたユースティアが小さく胸元で十字を切って祈りを捧げた。

「IDカードがありませんけど、手首の古傷は見覚えがあります」

 ポケットから出したウェットティッシュで指をふき取りながら、ユースティアは答えた。

「身体的特徴は合致していますが」

「どっちにしろ―――“消滅”が始まる。出来ることは祈ってやる程度か」

 衛兵隊長がぽつりと呟いた。

 人間界に住む人間と違い、魔族は死ぬとその肉体を残しておくことが出来ない。

 肉体を構成する魔力が失われることで、その肉体の構成を維持できず、光の泡状になって“消滅”する。

 皆がわかっている。

 ここまで死体が残っていたこと自体が奇跡に近いのだ。

 そのことを証明するかのように、皆が祈りを捧げる中、ユースティアによってオパールと確認されたその死体は、服を残して光の泡となって消えた。

「……問題は、この奥か」

 衛兵隊長は、通路の奥を睨み付けた。

 照明もない通路。

 5メートル進んだ先が、T字路に曲がっている。

 まっすぐすすめば、2メートルと行かずに行き止まりだ。

「隊長は、この地形に詳しくないのですか?」

 ティアリュートが訊ねると、何でもない。といわんばかりに隊長は答えた。

「脱出ルートの確保は俺達の仕事じゃないんでね」

「―――成る程?」

「ま、ここに入った以上は、仕事の権限で調べさせてもらうさ―――悪いことじゃないだろう?」

「お任せします」

「ついでといっしゃなんだが……」

「はい?」

「もう一人が―――“もしも”のことがある。もうちょっとつきあってくれねぇか」

「……そう、ですね」

 チラリとティアリュートがユースティアを見た。

 いつの間にかオパールのメイド服を片づけていたユースティアは、無言で頷いた。

「了解しました」

「―――上等だ」

 ピクリ。

 不敵に笑った隊長の視線が“それ”に気付いたのは、彼の経験によるものか、単なる偶然かはわからない。

「―――何だ?」

「?」

 最初、ティアリュートとユースティアは共に“それ”に気付かなかった。

 もしかたら、この一行で気付いたのは隊長だけかもしれない。

 隊長は、手で先に進もうとする部下を止めた。

「どうしました?」

「―――あの光は何だ?」

「光?」

 隊長が指さした先。

 そこには、ポツン。と赤い光が壁に光っていた。

 違う。

 何かの光が、壁に当たっているのだ。

「……あれは?」

「―――メイドさんよ」

 隊長は言った。

「鏡―――持ってないか?」




「人間の?」

「ええ」

 ティアリュートは、憮然とした顔で言った。

「―――人間の使う地雷って兵器。誰かが不用意に、その兵器の前に立つと、中の装置が作動して―――ドンッ」

 ティアリュートは、握った手をクローネンベルクの目の前でパッと離した。

「私の見る限り、あの光が、その兵器の“目”だったわけね」

「作動したの?」

「させるしかなかったわ」

 ティアリュートは苦笑しながら、ユースティアが用意した紅茶に口を付けた。

「その後で―――ご覧の騒ぎよ」

 場所は、城の中が一望できるテラスの上。

 メイドや執事達も利用できる憩いの場として人気のあるスポットだ。

 そこから見る城の一角から、未だに黒い煙が立ち上っている。

「兵器に挽肉にされた後、そのまま進んでいたら地下通路に生き埋めにされるところだったわ」

「探知装置を探しに外に出たのが正解だったのね」

「でなければ、生きてあなたとこうしてはいないわ」

「―――そうね」

 くすっ。

 クローネンベルクが嬉しそうに笑った。

「―――何?」

「ううん?」

 その目は、嬉しそうな、どこか、まぶしそうでさえあった。

「あんた―――いい顔してるなって」

「……顔?」

「うん」

 クローネンベルクは、掌の上に顎をのせ、歌うように言った。

「輝いている―――軍隊時代に見せた精悍さが戻っている」

「自分じゃわかんないし、そんなことは大切じゃない」

「……そうね」

「脱出ルートが一本潰れた……だけじゃ済みそうにない」

「プラチナの行方は?」

「逃げたのか―――それともあの下か」

「生存反応は?メースのセンサーで調べたんでしょう?」

「一介の家庭教師にそこまで教えると思う?」

 いらだたしそうに、ティアリュートが破壊された地下通路の陥没した跡に立つメースを睨み付けた。

「ったく、センサーで調べるなら、そんな所じゃなくて、別に調べるところがあるでしょうが」

「そういうものなの?」

「あの頭部アンテナの形状からして、この城にあるのは、サライマの中でも指揮官級のS型―――バラライカよ」

「それが?」

「指揮官が搭乗する以上、S型はノーマルよりセンサーや通信装置のグレードが高い。特にバラライカは正規軍でサライマが使用されていた最後期のモデルで、中隊から大隊指揮官と、戦況分析官が搭乗することを前提にしているから、現役の―――何よ」

「ううん?私、メースは全くの門外漢だからチンプンカンプンなのよ。とにかく、センサーはスゴいんでしょう?」

「ええ。私だったら、城壁まで向かっている。もし、プラチナが生きて徒歩で移動していれば、バラライカのセンサーなら追えるはずよ」

「衛兵に捕まえる気がないのか―――それとも」

「泳がせているなら失礼しましただけど―――あの兵器が仕掛けられてる中、追いかけるのが恐いっていうのが本音じゃない?バラライカで追跡―――発見。その後、どうするかって、その辺」

「……この国が、戦争で負けている理由が分かった気がする」




 結局―――プラチナの行方は、ようとして知れず、時間ばかりが無駄に過ぎていった。



「大変な一日でしたね」

 寝間着に着替えたユースティアが、メイド服をハンガーにかけながら言った。

 すでに眠る時間だ。

 照明はすっかり落とされて、枕元のランプの光しかない。

「……ねぇ。ユースティア」

「はい?」

「あなた―――所属部隊はどこだったの?」

「所属部隊?」

「軍隊経験はあるんでしょう?」

「……昔の話です」

「過去は言えない―――そんな所だったんだ」

「……」

「……いいわ」

 ティアリュートは、読みかけていた雑誌をサイドテーブルに置いた。

「随分、血に慣れているから、気になっただけ」

「……お嫌でしたか?」

「ううん?」

 ティアリュートはあっけらかんと答えた。

「血が恐かったら女なんてやってられるもんですか。

 昔ね?学校の女の先生のこと思い出した。

 聞いてくれる?

 男の子が転んで血が出たってワンワン泣き出した時があったの。

 その先生、普段は物静かなんだけど、その子、本人も親も五月蝿くて迷惑なヤツでね? 先生が何言っても泣きやまなかった。

 男なら黙れって、私でも思ったもの。

 で、最後にアタマに来た先生が怒鳴ったの。

 何よその程度!私が今日、女として、月一度といえ、どれだけの血をドバアって出したかわかった上で泣いてるの!?って」

「……そういう意味ですか」

「そうよ―――アレは大変だから」

「そうですね。私も痛み止めが必要です」

「ふふっ……こういうプライベートな話、ゆっくり出来るのは初めてね」

「……そういえば」

 ユースティアは嬉しそうにベッドに腰を下ろした。

 ちなみに、ティアリュートのベッドに、だ。

「カティア姫様にいつも取られてばかりでしたから」

「ふふっ。私は家庭教師だから―――」

「……そうですね。今晩は?」

「あの騒ぎがあったせいかしら?未だに本丸への立ち入りは許可されてないし―――あなたは?」

「私達、メイドもです」

 ユースティアは視線を窓の外に向けた。

「今、本丸に入っているのは、衛兵の方と、メイド長に、本当に限られた方だけです。何しろ、本丸は現在、公国軍最高司令部ですから」

「―――普段からそうなんじゃないの?」

「本来なら、城下町のビルにあるのですが、警戒が引き上げられたようです。夕食をもらいに行ったら、厨房の方から、機能がこちらに移ったと布告があったと聞きました」

「戦時下……か」

「……大変ですね」

「えっ、何が?」

「家庭教師として赴任してまだ1ヶ月も経っていないのに、こんな騒ぎに巻き込まれて」

「―――ま、退屈なよりマシよ」

 ユースティアは苦笑いして答えた。

「カティア姫にも出会えたし」

「……」

「……お疲れではありませんか?」

「そうね。いろいろ疲れているかも」

「……お慰め、しましょうか?」

「お願いできる?」

 マッサージでもしてくれるのかな?

 ティアリュートは、そんな軽い気持ちで、そう答えたのだ。

「―――はい♪」

 ユースティアは、嬉しそうに頷くと、ベッドから立ち上がった。

 マッサージに備えて身体の力を抜き、目をつむったティアリュートの耳に、シュルッという布音が聞こえた。

「―――あの」

「ん?」

 ティアリュートは、目をつむったまま答えた。

「灯りを消していただけますか?……やっぱり、恥ずかしいので」

「恥ず?」

 ティアリュートは、目を開いて、思わずギョッとしてしまった。

 問題は、ユースティアの格好だ。

 何故かユースティアは、寝間着を脱いで一糸まとわぬ姿でモジモジと、自分の前に立っている。

 成熟していない幼い身体を、精一杯に隠そうと手で前を覆う姿は、むしろそれだけで官能的でさえある。

「……あの、ユースティア?」

「う、噂にはうかがっています」

「噂?」

「ティアリュート様が、カティア姫を性的に狙っていらっしゃる―――ついでに、シュルッ様とはもう、身体を許し合った間柄だと」

「何それっ!」

 ティアリュートは驚いてベッドから跳ね起きた。

「カティア姫の件は真実としても、ショーン様に知られたら殺されるような噂、誰が流したのよ!?」

「で、でも、いいんです!」

 ユースティアは思い詰めた表情で言った。

「私、私っ!ティアリュート様が、他の女とどんな浮き名を流しても、私を愛してさえ下されば、それでいいんです!」

「どこの破滅希望の女のセリフなのよ―――っーか、よく聞いてユースティア」

 ティアリュートは、自分が、少しだけ後ずさっていることに気付いていない。

「私は、カティア姫を本気で愛しているわけで―――」

「弄ばれてもいいんです!私、慰み者と呼ばれてもいいっ!初めてお会いした時から、もう私、あなたに夢中なんです!ごめんなさいっ!もう我慢できませんっ!ティアリュート様ぁぁぁっっ!」

 感極まった。そんな声を上げながらユースティアはティアリュートに抱きついた。

 その力に半ば負ける形で、ティアリュートはベッドに押し倒された。


 ―――ちょっと待って。


 ティアリュートは、抱きついてくるユースティアの柔らかい感触を感じつつ、心の焦燥を押さえられなかった。


 ―――私、女で、ユースティアも女。女が女を押し倒すって……これってどうなのよ。


 カティア姫相手なら、泣いて喜ぶところだろう。

 でも、姫も同じ女。

 ユースティアと、何がどう違うと聞かれると、返事が出来ない。


「……ティアリュート様」

 潤んだ瞳で、ユースティアが切望するが如く言った。

「―――犬とでも、ペットとでも、好きにお呼び下さい」


「あ、あんたまさかMっ!?」


「エムでもエスでも、何とでも♪」

 ユースティアは嬉しそうに頷いた。

「初めてお会いした時、あの瞳に直感したのです。この御方なら、私を滅茶苦茶にしてくださるって!ですからっ!」


「ちょっ!?」

 ユースティアの唇が近づいてくる。

 本能的にいろいろと危険を感じたティアリュートの顔が引きつったままだが―――



 ズンッ!

 ズゥゥゥム―――ッ!


 室内を、いや、城を根こそぎ揺るがすほどの粘っこい爆発音が連続して響きだしたのは、その時だった。


「なっ、何っ!?」

「―――チッ」

 ティアリュートは、確かに、その舌打ちがユースティアの口から出たのを聞いた。

「どこのクソだ―――余計なマネしやがって」

 地獄のそこからだって聞こえないだろう物騒なつぶやきが、確かにその愛らしい口から聞こえた。

「ゆ、ユースティア?」

「放っておいて、続きです♪」

「そういうわけにはいかないからっ!」

「そう……ですか?」

 残念そうなユースティアはぽそっと言った。

「なら―――あのバカ共を挽肉にしてやる……クソ共、覚悟しやがれ?」


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