ノスタルジアック
僕が大人じゃなかったら良かったね。なんて、独りごと。
迷う、君は迷うのだろう。ならば僕から一言。
君がまだ子供ならば、君が過ごしている時間は、これから先望もうとも戻らない時間だから、どうか今を楽しんで。
それは例えば、仲間が居ても満たされない瞬間の積み重ねかも知れない。
それは例えば、いじめられて独りぼっちの時間の積み重ねかも知れない。
だけど、それでも君が過ごしている時間は絶対に、大人になった君の憧れとなるんだ。
夕焼けが美しいと思う時、隣のあの子が気になる時、放課後の廊下に佇む時。
どれも、絶対に戻らないから覚えていて欲しい。
一片の欠片も残さないよう、覚えていて欲しいんだ。