遭難?!
「ねえ。……本当にこっちであってんの?」
進むにつれて木が多くなっていき、いままで見えていた畑や田んぼ、家が見えなくなっていた。
「きゃっ!!!」
「大丈夫?!」
「「大丈夫か?!」」
紅葉が木の根っこにつまずいて転んだ。
私も合わせてたったの四人。
頼る大人もいなくて、不安がつもっていく。
太陽が傾くにつれて、私達の焦りはひどくなり体力も減っていった。
そしてついに、私と紅葉は座り込んでしまった。
「もう…ダメ…歩けない……」
「少し休憩しよ?」
怒られるかと思っていけど、健太と春彦もつかれていたらしく、木のそばにあった階段のようになっている所に座り込んだ。
「……なぁ。この後どうするんだ?」
春彦の言葉を聞いて、三人ともため息をついた。助けなんて求める事は出来ない。連絡手段もなく、ひっそり持ってきていた携帯も圏外で友達にメールすら送れない。
「よし!そろそろ行こうか!!」私はあえて明るく言葉を放った。が…「きゃっ!!!」
足を滑らせて崖のしたに落ちてしまった。
私…なにやってんだろ…私、もう死ぬのかな?───・・・・・
「い……いろ……いろは!!!」
薄れゆく意識の中で、誰かが私を呼ぶ声が聞こえた……