クラスの思い
1時間ほど外にいると、私はようやく落ち着いてきた。ただ、たくさん泣いたせいで目が赤くなっていてすぐには教室に帰れる状態じゃなかった。
「しょうがない、もう少し待つか」
屋上はポカポカ暖かくちょうどいい気温だった。空には雲が2つ3つ、少し感覚を開けて流れていた。
キーンコーンカーンコーン──・・・
「よし!戻るか。」
たくさん泣いたおかげか、心無しか気持ちがだいぶ楽になっていた。
ガラッ
教室に戻ると、皆は私を見て心配そうにしていた。私は人目も気にせず健太のところへ歩いていった。
「さっきはごめん。家でのストレスが溜まって健太に当たっちゃった。本当にごめんね」
すると、健太は私をみてニッコリ笑った。
「大丈夫だよ。……まぁ、その時は、すごく落ち込んだけどな。」
といいながら、肩をすくめた。
「紅葉もごめん。声かけてくれたのに、何も答えなくて…。」
私は、紅葉の方を向き謝った。
「大丈夫だよ?気にしてない」
紅葉は、微笑んだ。
「よかったー!」
いきなりクラスの皆が息を揃えて言った。
「え?」
私が皆の方をみると、皆は、口々に思い思いの言葉を発した。
「仲直りできたね!」
「三人がケンカしたら、このクラスバラバラになっちゃうよ」
「ケンカした時、びっくりしちゃった!」
「いろはが健太の手を払った時、時間が止まったかと思ったよー。」
「移動教室前なんだから、仲直り出来なかったらどうするつもりだったのさー。」
「仲直り出来て本当によかったね!」
皆のこの言葉を聞いて、私は、本当に申し訳ない気持ちになった。
「みんな、ごめんね!…そして、心配してくれてありがとう! 」
私はまた泣いた。今度は悲しいからという意味ではなくて、皆の思いに感動して、うれしくて泣いた。
先生が教室に戻ってきて、私が泣いてるのを見ると、先生はおどおどしながら私は慰めようとした。その様子がみんなのツボに入って、教室は笑いに包まれた。