優しくしないで
朝。
ベットから起きて、鏡をみると、私の目が赤くなっていた。
「お母さん!私の目が赤くなっちゃった!どうしよう」
「タオルかなんかで冷やせばいいじゃない。」
私は、急いでタオルを濡らし、目を冷やした。五分すると、赤いのは治り、いつも通りになった。
「いろは!時間大丈夫なの?」
急いで朝ごはんを食べて、洗面台でいつもと同じく、笑顔を作って家を飛び出した。
「いってきまーす!」
キーンコーンカーンコーン───・・・
バン!
勢いよくドアを開けた。すると、私に皆の目線があつまった。
「……セーフ…?」
「アウト。」
後ろから来た先生に出席簿で頭をペシッと叩かれた。
教室中が笑いに包まれた。
カァーーっと私の体温が急上昇した。私が席に着くと、先生は話を始めた。
「今日は、移動教室に向けての準備が1、2時間目にあります。先生は途中で居なくなったりしますが、ちゃんと集中して、やるべきことをやっておいてください。」
「はーーい!」
「これでHRを終わります。気をつけ!礼! 」
「はぁーー。」
HRが終わって、ざわざわした教室で私は、ため息をついた。いつもより深く、いつもより大きくため息をついた。
「どうしたの?そんなに大きなため息ついて。さっきの遅刻のこと気にしてるの?」
「……………。はぁーー。」
私は、一度 紅葉の事をみて、また頬杖をついてため息をした。そして、顔を伏せた。
「おいおい、どうしたいろは、大丈夫か?」
健太が私の頭を触ろうとした。
バシッ!
私は健太の手を叩いた。
この音に、きっと皆驚いたんだろう。みんなが私の方を向いた。
健太も紅葉も驚いたらしく、目を見開いていた。
「さわらないで!」