春彦〜Side story〜
初めてサイドストーリーを書きました!
違う人の目線から書くのは難しいですね…
がんばって書いたので、ぜひ、呼んでください!꒰ ´͈ω`͈꒱
「いろは!」
オリエンテーリングの時。健太は迷いもしないでいろはを助けに行った。
「健太…大丈夫かな?」
ポツリ。
雨が降ってきた。
「…はる君。一旦私達は、宿泊所に行かなきゃ。先生に助けてもらお?」
何もできずにただ立ち尽くしていた俺に、紅葉が尋ねるように聞いてきた。
「うん。そうだな…」
…っといっても、俺達は遭難していて、すぐには戻れなかった。
雨に濡れながら、紅葉は「いろはは何かと運がいいから、死んだりなんてしないけど…健太はその反対で、運が悪いから……心配だな…」とか、「二人が合流出来てたらいいんだけど」とか、二人をすごい心配していた。
運良く、無事に宿泊所に着く事が出来た。
先生達は、皆青ざめた顔をしていたが、俺と紅葉をみて、安心した顔になったが、「後…二人は?」と、深刻そうに言った。
「……崖…から落ちた…」
泣きそうになりながらも、紅葉が先生に伝えた。
「……そうか。まず、一旦中に入って安静にしてなさい。」
先生は、そう言って俺と紅葉を宿泊所に誘導した。
疲れきっていた俺と紅葉は、すぐに眠りについた。
どれ位経っただろう。俺は目を覚ました。紅葉心配そうに見つめていた。
「はる君。大丈夫?」
静かな廊下に、紅葉の声が響く。
「二人、見つかったみたい。今、健太がいろはの看病してる。」
静かに紅葉は言った。
ゆっくり身体を起こして、隙間から二人の様子をみてると、紅葉も「私もみたい。」と言って、俺の顔の下に顔を出した。
「あんまりよく見えないね。」小さな声で、紅葉が俺に言った。
でも、声はしっかりと聞こえる。
「…今度さ、どっか出かけない?」
「あぁ。いいよ。四人で行くと……」
「四人じゃなくて、二人だけがいい!!」
いろはと健太のやり取りは、全部聞こえた。
「あーぁ。取られちゃうのかな…」
紅葉がため息混じりの小さな声で、ボソッと言った。
『……紅葉は、健太が好きなのか?!』
俺だけはる君。って言うあだ名で呼んでたのに……まぁ、よく考えてみれば、健太と紅葉はお似合いだけどな…でも、すごく悔しい。俺の方が紅葉への想いは強い。……はず。
ガラッ
「な、なにやってんの?」
いろはが部屋から出てきた。
中腰になっていた俺と紅葉は、汚れをはたきながら立ち上がった。
「あんた達二人。いい感じじゃん?二人だけで出かけるなんて…。そうだ!はる君。私達も、一緒にどっか行こっか!!」
『え?え?どゆこと?俺と紅葉が二人で?』
「え?俺達も?!」
「…私じゃ嫌?」
『…い、いや、むしろ大歓迎なんだけど!?』
「嫌なわけないじゃんか!一緒に行こう!」
「やった!嬉しい♡」
お、おう。
紅葉は俺の腕に手をからめた。
ドキドキドキドキドキドキ
だ、黙れ!!
しつこく鳴り響く心臓が、紅葉に伝わってしまいそうで怖かった。
「…あのさ…どこに出かけるの?」
そう言うと、紅葉は
すっ。と腕から離れた。
『良かったぁー。』
心臓が静まってきた。
「んーー遊園地?」
「いいんじゃね?…そうしよっか!」
大丈夫か?遊園地って、あの二人も行くんじゃねぇのか?
ばったり会わないと良いんだけど…