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友達2

「ワタル、冬休みの予定は?」

ジョーに聞かれてしまった。それもメグの目の前で。

「あ、忘れてた。補習があったんだな」

分かってるなら聞くな!…というか、それをここで言うなよ…。

俺は恥ずかしさのあまり言葉を失った。

「私なんかSSP訓練校の時、落第した事があったのよ」

…耳を疑った。でもそれは紛れもなくメグの声で…。

「本当…に?」

俺の疑問に、彼女は微笑みながら頷いた。

「少し遠回りする事になったけど…小さな事よ。だっていずれ卒業すれば、命を守る大事な仕事に就けるのよ。だから、卒業できるまで、諦めるわけにいかなかった。医者を目指しているワタルも、同じでしょう?」

「…うん」

そう答えたけど、本当は、ドキッとしたんだ。

俺がこの道に進んだ理由は、宇宙が好きだからだった。

MSでは、通常の医学以外に、宇宙だからこそできる薬品の実験をしたり、宇宙での人体反応を研究する、宇宙医学という分野を学ぶ。

この分野は、特に未開拓なので発見が多く、しかも宇宙生活の中で重要な研究だ。

とにかく宇宙で、最先端を担いたかったんだ。

でも俺は、大事な事を忘れていた。

どんな技術や知識も、思いが無ければ意味が無いんだ。

命を守る事―この尊さを思いに込めずに、一体何が出来たというのだろう…。

メグはその思いがあってこそ、それに必要な、最先端の技術と知識を身につけたのだ。

しかし後に知る事になるが、彼女の抱く思いは、俺が考えるよりずっと深いものだったんだ…。

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