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彼女2

「ところで、ホワイトさんはこんな時間にどうしたんですか?」

「貴方も同じかな。寂しい時や考え事がある時とか、地球を見ると落ち着くのよ。コクピットでの当直の仕事で、遅くなるんだけどね」

ホワイトさんも悩んだりする事があるんだな…。ほんの少しだが親近感を感じた。

「MSって、MicroShelterって意味だって知ってた?」

MicroShelterとは、[微小な保護区]という意味だ。

この巨大な宇宙ステーションからは想像もつかなかった。

「この名前を付けた人は、この存在の小ささをよく解ってる。地球と比べると、何の暖かみも無い…あまりにも小さな存在。人間が生きていくような場所じゃないのよ」

生きていけない?現に沢山の人間がここで生きてるのに…?

「きっと体のどこかにインプットされてるのね、地球からは離れられないって」

ああ確かに…。もしかしたら人間の遺伝子の中に…そういうのあるかもしれないな…。

「…まだ解らないけど、確かに地球を見ると落ち着きますよね。友達もみんなそう言いますし」

すると彼女は寂しげに笑った。

「友達が居るから、貴方はまだ気が紛れるのかもね。私はここには友達が居ないのよ」

発足して間もないSSPはまだまだ人手不足で、ほとんど独りで仕事をこなすらしい。仕事仲間と休日が重なる事も無い。

…胸の奥がずきっとした。初めて会った時からずっと感じていたものだった。

「友達になってくれない…?」

助けたい。守ってあげたい…。想いが胸を締め付ける。俺は堪えられなかった。


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