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告白2

俺は、泣きじゃくるメグの目を見て、思い切って口を開いた。

「メグ…」

「ワタル?気がついたのね…!」

安心したせいなのか。メグはさらに激しく泣きだした。

「もう…泣かないで…」

「だって!…父と同じ…。私を助けようとして犠牲になって…。私のせいで宇宙をさまよい、私のために栄養失調になって…、私をかばって大怪我までして!」

この時初めて、自分の頭が包帯でぐるぐる巻きになっているのに気づいた。

墜落してメグを受け止めた時、頭を打ったらしい。

「全部、全部…私のせい…!」

大粒の涙が頬を伝い、ポロポロと床に落ちる。

「メグのせいじゃない…」

俺は深く息を吸い込んで、次の言葉を口にした。

「…メグが好きなんだ」

メグは唖然とした顔で、俺を見つめた。

「えっ…」

「本当に…本気で、好きだったんだ…。だけど俺は、メグを幸せにできる自信が無くて…我慢してた…」

メグが戸惑っているのが伝わる。…でも、はっきりさせたかった。

「全部、俺が望んでやった事だ。だから、気にしないでくれ…。どうしても、メグと一緒に生きたかったんだ…」

その時突然、ノックの音が聞こえて、さっきの男が入ってきた。

よく見ると、年齢は俺と近いように見受けられた。

「あの…悪いけど、リーダーが呼んでるから、ホワイトさん会ってくれないかな」

「分かりました」

メグは立ち上がって、ドアの方に歩いていった。

ドアの前で、振り返った。

「きっと助けてもらって、一緒に生きて還れるようにするから…!」

その言葉を残して、扉は閉まった。

“答え”ではない。でもその言葉は、どこか…俺の気持ちを安らげた。

俺は、再び眠りについた。

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