表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/61

絶体絶命3

気づいてほしい…それが、俺の本音かもしれない。

もちろん気づかれたら恥ずかしいし、その後のメグとの関係がどうなるか、考えると怖い。でも、それよりも…。

素直に、“好きだ”って言ってしまいたい。

だけど駄目だ。

まだ社会的に何の立場も無い俺。休学状態だし、当分学生のまま。お金も無い。

卒業したって、一人前の医者になれるまで、どんなに時間がかかるだろう。

こんな俺が、彼女を幸せにできるのか?苦労させるだけじゃないのか…?

不安が、頭から離れない。

「ワタル、もうすぐ火星に着陸するから用意してね」

メグの声で我に返った。

…そうだった。

今日は着陸する日なんだ。頑張らないと。地球に還るために、俺…しっかりしないと…。

メグに連れられてコクピットに入った。

窓の向こうには、やはり赤茶けた無毛の惑星が迫っていた。

蒼い水の満ちた、あの星をそこに見る日は…来るだろうか…。

操縦席に座っているメグの横顔を見る。

顔色は良いみたいだな。もう、安心して見ていられる。やっと体調が安定してきた。

でも今の俺は…。自分の体力に…不安がある。絶対、大した事は無いんだ。…けど。

自分達をこんな目に遭わせた連中を、恨まずにいられない。

MSに向けてミサイルを発射した、あのテロ集団だ。

しかし、メグは恨み言なんて一言も言わない。

彼女こそ、実際に命を落としかけたんだ。

体調も相当深刻だった。なのに、病床においてさえ、彼女は何も言わなかった。

一体どう思ってるんだろう…。

「メグは奴等の事、腹立たないのか?」

ずっと気になっていた疑問を、打ち明けてみた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ