出会い3
SSPは、一般乗客の乗るシャトルの操縦や管制を行う。
そして去年からは、MSのような宇宙都市も続々建造されて、その安全管理も任務に加わった。
ホワイトさんという人は、MSの管理を担当しているらしい。
ピピ…。ジョーの腕時計のアラームが鳴った。
「7時だ、彼女に電話する時間だから、悪いけど先帰るね」
ジョーは急いで出ていった。
俺より数ヶ月だが若いのに、責任を持って一人の女性に決めてるなんて、凄すぎる。
俺は高校の時に…一応付き合ったんだけど、少し食事に行ったくらいで…俺が忙しくしてた間に自然消滅?って感じで。
ジョーはその間にきちんと彼女を大事にして、将来の約束までして。…俺ももっと大人にならないと、な。
ふと俺は、図書館で独りになっていた事に気づいた。
7時閉館。自動ドアは外から開かない。8時には中からも開かなくなってしまう。俺は急いで外に出た。
するとドアの前に…彼女が、立っていた。
「ごめん!忘れ物して、貴方が中から開けてくれるの待ってたの。ありがとね!」
早口でそう言うと、彼女は中に駆け込んでいった。
俺はそのままドアの前に立ち尽くしてしまった。
さっきの小柄な後ろ姿からは想像もしなかった。
すれ違っただけの彼女の姿は、俺の中に一瞬にしてくっきりと刻み込まれた。
凛とした瞳、知性的なストレートボブの髪。
その姿に、彼女の持つ意志の強さをはっきり感じた。
でも、それだけじゃない。
あの一瞬、俺は確かに感じたんだ。言葉にできないような、何かを…。