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大宇宙より4

俺は彼とは違う。

絶対にメグの能力や人格を否定したりなんてしない。メグの事は心から尊敬してるんだ。

彼と比べてメグの好みの男ではないだろうけど、俺のメグを想う気持ちは彼には負けていない。絶対!

「俺は、メグがSSPとして活躍している事を誇りに思ってる。誤解しないで。でも俺は友達として、メグの助けになりたい」

俺は今の気持ちを素直に伝えた。

メグは暫し口を閉ざしたまま、俺を見つめた。

今の俺の心に偽りは無い。きっと解ってくれるはず…。

次に彼女が口を開いた時には、その言葉から感情の高ぶりは消えていた。

「今MSに残っているエネルギーは僅か。ここの照明と暖房の分しか無いの。遠く離れた地球と交信するパワーも無いし、食料生産も出来ないのよ…」

彼女の落ち着きを取り戻した声とは裏腹に、顔色は戻らない。呼吸も荒い。絶対おかしい…!

「そして残っている食料は、二人で…250日分なの…それで…」

「メグっ!!」

彼女はそのまま、シートにがっくりと体を預けて動かなくなってしまった…。

俺は熱くなった彼女の体をベッドに運んだ。

彼女が相当体調を崩していたのは明らかだった。

コクピットに持ってきていた医療器具の中から注射器を取り出した。

彼女の腕を捲り、血液を採る。そして機械にそれを入れて、分析する。

機械が出してくるデータから、症状を特定できる。本を片手に、数字の羅列と格闘する…。

彼女は、ひどい過労だった。

疲労物質が多く検出された上に、腎臓の機能まで衰えていた。

彼女は極度の緊張状態の中、ほとんど睡眠も取っていなかったんだ。

俺が眠りこけている間も、俺の事を守る責任感じて…エネルギーや食料をチェックして計算して…。

自分のだらしなさを痛感する。

メグの言う『能力の無い男』…それは自分の事だと、思わずにいられない。

俺は烈しく自分を責めた…。


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