別れ3
突然に、何故なんだ?…メグは何か悩んでいるのかな。
シャトルが来るまでに、まだ何分かある。
メールをくれたって事は、今は休憩のはず。俺は走って展望室に向かった。
案の定、メグはそこにいた。ぼんやりと地球を眺めている。
「心配したよ。どうしたの?」
声をかけると、メグはびくっとして振り返った。
「…」
無言のまま、彼女は徐々に目を伏せた。
「もうすぐ避難訓練でMSを出るけど…すぐ戻ってくるんだし…『ずっと会えない』なんて事ないじゃないか?大丈夫だよ?」
メグを安心させたいと思う気持ちの中に、自分も安心したいという気持ちが混ざる。友達としてでも、メグの側にいたい…。
しかし彼女の表情はますます険しくなる。
「違う!もう2度と会えない!」
少し間をおいて、メグはゆっくりと口を開いた。
「…もう、貴方に会いたくない。顔も見たくないの」
そう言って、彼女は俺を視界から消した。
「だから、さよなら。絶交よ」
「おい!それどういう事だよ!」
思わず大きい声を出してしまった。
…でも、どういう事だ?前会った時は、俺に笑いかけてくれてたのに。
「…私にとって、ワタルはお子様だったのよ」
「へぇ…そう。ごめんねーお子様で!」
違う。こんな事が言いたいんじゃない!
でもメグ、俺が何かしたか?
確かに俺はメグより5つも年下だ。
でも今まで普通に友達として付き合ってきた。
メグに甘えたりとかしてない。…俺には分からないよ…。
「今すぐMSを出てって。嫌なら私が出ていくから」
「出てけって…。言われなくても、すぐにシャトルに乗る時間だけど…?」
「だったら早く出てって。出てってってば!」
静まりかえった展望室。聞こえるのは、去ってゆくメグの足音だけ…。