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「何で来んの?」〜話し言葉で書いただけなのに〜

作者: 大桑

 話し言葉の文字列や、方言が多く登場します。苦手な方はご注意ください。

 早速ですが、以下の「何で」「来んの?」の読み方を考えてください。


問1

A「明日ってさ、うちに何で来んの?」


B「歩きで良いかなって思ってるよ。」


A「車とチャリは使わんのね。そしたら、お酒飲むか。」


B「おう!コンビニ寄ってツマミ買ってくわ。」


A「ありがと。」



問2

A「明日の飲み会、何で来んの?」


B「明日は彼女が誕生日なんよね。結構前から約束しとったけん。」


A「あぁ、それは来れんな。そしたら、また誘うわ。」


B「おう、ありがと。」



問3

A「うちのとこばっか何で来んの?!」


B「私も刺されてるけど、Aは刺されすぎじゃない??」


A「ねぇ、もう最悪!蚊多すぎ。」


B「虫除けスプレーはないけど、痒み止めならあるよ。使う?」


A「あ、私も同じの使ってる!もらって良い?ありがと。」



 お待たせしました。答え合わせです。


問1

A「明日ってさ、うちに(なに)()んの?」


B「歩きで良いかなって思ってるよ。」



問2

A「明日の飲み会、(なん)()んの?」


B「明日は彼女が誕生日なんよね。結構前から約束しとったけん。」



問3

A「うちのとこばっか(なん)()んの?!」


B「私も刺されてるけど、Aは刺されすぎじゃない??」



ちなみに、(なに)()んの?が登場する場面は思いつきませんでした。



「何で」という表記に対して「なにで」と「なんで」ですれ違い、意思の疎通に失敗する例はそこそこ有名だと思います。特に「なんで」が疑問にも反語にもなるのがまた難しいところです。



同様に「()んの?」と「()んの?」もニュアンスが変わりますね。



 ただ、これは打ち消しの助動詞「ない」を「ん」という文化がない方にはピンと来ないようです。打ち消しの助動詞「ん」って単なる話し言葉ではなく方言らしいですね。


ということで、改めて書き言葉版を記載いたしまして、解説とさせていただこうと思います。



問1

A「明日は家に何を使って来るの?」

(明日ってさ、うちに(なに)()んの?)


B「歩きで良いかなって思っているよ。」


A「車と自転車は使わないんだね。それなら、お酒を飲もうか。」


B「うん。コンビニに寄って、ツマミを買って行くね。」


A「ありがとう。」



問2

A「明日の飲み会はどうして来ないの?」

(明日の飲み会、(なん)()んの?)


B「明日は彼女が誕生日なんだ。結構前から約束していたから。」


A「あぁ、それは来られないな。そういうことなら、また誘うよ。」


B「うん。ありがとう。」



問3

A「私のところにばかり、どうして来るの?!」

(うちのとこばっか(なん)()んの?!)


B「私も刺されているけれど、Aは刺されすぎじゃない??」


A「ねぇ、もう最悪!蚊が多すぎる。」


B「虫除けスプレーはないけど、痒み止めならあるよ。使う?」


A「あ、私も同じのを使っている!もらって良い?ありがとう。」




 「()んの?」と「()んの?」はイントネーションが違います。


ただ、チャットなんかでは話し言葉で文面を打つことも珍しくなくなってきていますから、打ち消しの助動詞「ない」を「ん」と略す方言に馴染みのない方はお気をつけください。「来んの?」のメッセージを見て


(えー。来るの?来ないでほしい。)


と言われているように感じてしまったとき、それは


(来ないの?来てほしいな。)


と言われている可能性がありますよ。

()んの

ーカ行変格活用の動詞「来る」の終止形の変形(来ん)+終助詞「の」


()んの

ーカ行変格活用の動詞「来る」の未然形 (来)+打ち消しの助動詞「ない」の終止形の変形 (ん)+終助詞の「の」

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