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プロローグ

新連載始めました!


初めて目にした婚約者のジュリアス・レーウェンは、噂通りの美貌で人を寄せ付けない崇高なオーラを身に纏っていた。 

うっかり見惚れてしまいそうになるのを必死に堪えて、私は全力で興味のないフリをする。


向こうから申し込んだ今回の婚約だというのに、愛想笑いのひとつもせず、精巧な人形のように感情のない表情をしている。


…いや、ひょっとすると作り物の人形の方がもっと愛嬌があるかもしれない。


この私、アレナ・サンクシュアに全く興味が無い証拠だろう。一目見て恋に落ちるなど、小説の中だけの話だ。ハッピーエンドを望むなら、主人公にも相応の努力が必要なんだと思う。



今日は我が家での顔合わせ。


婚約者のジュリアス様と彼の父は、挨拶もそこそこにして席に座る。そして、書類の記入を終えた途端彼らは席を立ってしまった。


普通なら、


『アレナ、せっかくだから庭を案内してあげなさい。』


もしくは


『ジュリアス、二人で散歩してくると良い。ちゃんとエスコートするんだぞ。』


なんて、どちらかの父親が気を利かせるものだろう。


そのどちらもなく、そのまま帰路につこうとする。公爵家というのはよほど忙しいらしい。



ーーでも、それでいいわ。


私は期待通りの展開に、心の中でほくそ笑む。




私も一緒に立ち上がり、婚約者の見送りをするため玄関までやってきた。


ただただ、微笑を浮かべて頭を下げるのみ。余計なことは何も言わないし、表情にも出さない。


そのまま馬車は走り去って行った。

「これから宜しく」や次回の約束を確信させる言葉も無かった。



ーーなんてあっけない。


そう思いつつも、望んだ展開に胸が弾む。

うっかりニヤけてしまわないよう、ポーカーフェイスを決め込んだ。


今、浮き足だったところを見られるわけにはいかない。全ては計画の内なのだから。




私はその足で自室に戻り、机へと向かった。計画通りにことを進めるため、鍵のかかった引き出しから一冊のノート取り出す。



「さぁ、これからが本番よ!」


勢いよくペンを持ち、年季の入ったノートを開く。


そのくたびれた表紙には、『※マル秘※溺愛生活を実現させるための計画!』と書かれていた。



お読みいただきありがとうございます!

テンポよく勢い重視で進めていければと思ってます!

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