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あなたの夢は?
佳奈の閉じられた瞼がぴくぴくと動いた。
僕は佳奈の細い手を握る。まるで、骨のように細い指は少し動かしただけで、折れそうだ。
佳奈の薄い紅の唇に僕の唇を合わせる。冷たい唇は「死」を感じさせる。僕は生きていて、佳奈は半分死んでいるようだった。もし代われるなら僕が死んだ方がましだった。
あなたの夢は? と佳奈が聞いたが、僕は答えなかった。なんで答えないの? だって恥ずかしいから。いいじゃない。夢は? 僕は渋々カメラマンだと言った。でも、何回も賞に投稿しているのに賞はとれなかった。仕事をしながら、僕は何回も何千回もシャッターを切っていた。いつの日か、あなたはプロになれるわよ。と佳奈は微笑みながら言った。僕は、「なんの根拠があるの?」と言った。「女の直感よ」と笑った。佳奈は看護師を続け、僕の貧しい生活を支えてくれていた。




