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ポラリスの多世界  作者: 一
特異大魔法世界編
94/362

#92 ひとりの友の友となるという大きな成功を勝ち取った者


『ラ・メウース・ドラ・キニークス』


周辺都市が余波で消えて逝く。大都市ギルヴァートはもう持たない。


あの魔導皇帝の技というか能力というべきか魔法というべきか。とりあえず全てが出鱈目な力だ。第三者であれば笑える程に出鱈目だ。


「お姉さま!大丈夫ですか」


「ああ、次、行くぞ!!リノ!!」


ゲームやアニメでいうとチートオブチート。

リノと僕の合わせ技もことごとく受け止められている。まるで戦國戦の再来だ。まだ僕らには歪みの者とこれだけの差があるというのか。


僕らのどんな攻撃もまるで効いていないように一見見えるがダメージを全く受けていないとは思えない。ソラの観測だと、有効だと表示されている。


だが、魔法による攻撃による耐性は絶対らしく、究極魔法であれほぼ無傷。これだけの大魔法使いが集まり攻撃しようとも届かないとは絶望的だ。そして、僕らの攻撃だけでは決定的に倒すことは不可能なのかも知れない。


「はあああああ!!」


リノがあの巨大魔法を全て変換して近距離攻撃している。

リノも安定して強い。肉弾戦の衝撃波が少し離れた距離の僕まで届くことは音速を超えた速度で殴打だ。魔導皇帝は全て受けている。あのリノ攻撃を直に受けて倒せないのかよ。僕なら即変換されて分解されてしまうというに。


僕も負けてられない。


「リノ!」

「はい!」


重力砲グラヴィトンカノン


重力砲が捻れて進みながら空間を貫き魔導皇帝に直撃する。この戦いでわかったことがある。


あの一見無敵に思える魔導皇帝は物理法則の攻撃への耐性については魔法ほど強くは無いように見えた。あくまでソラの観測と僕の経験値からくる予想だからだ。


魔導皇帝はこの魔法世界をどうしたいのだろうか。

会話にもならないし、かと言って知性が低いとは思えない。


網膜に表示されている数値が桁が見えない程、急激に上昇していく。ソラの警告する声が頭の中で響く。


Multiverseの効果による多次元宇宙により多次元領域以内に存在する全てを吸収することができる。この能力を使うときは本気のときだ。後は別次元の特異界へ跳躍するときに活躍するが、ソラによる補正が入ることで更に精度が格段に上がる。


僕がエネルギーを吸収できるパターンは三種類ある。

観測による力の解析と分解と再現。虚数空間内放流による解析と分解と再現。最後は僕の真核という核の効果によるMultiverseによる多次元掌握だ。Multiverseで吸収できない技や力や能力はほぼ無い。ほぼというのは、エヴナのような転生者が転生した際に授かられた能力などだ。恐らく、エヴナの能力は転生に由来するものだ。


それはリノや僕にも当てはまることだろう。転生や転移でも何かしらの固有で特別なスキルか能力を授かることが出来るのだろう。


今の僕の観測や虚数空間への放流や、Multiverseでの有無を言わせない吸収ではエヴナの能力は解析して自分の力へ吸収することは出来ないが、逆に僕の力も特別なスキルや能力を有しているのを誰かに奪われることも吸収された経験が無いからすると、僕にもこの特異界への転生して転移した際に特別なスキルか能力を授けられたということなのだろう。


幸い、魔導皇帝の魔法は分解や解析して自分の技には出来ないみたいだが、その莫大な力はほぼ全て吸収出来ている。これで、防御の面では僕らのほうが一歩先を進んでいるといえるだろう。


だが、魔導皇帝もどうやらまだ本気を出していないみたいだ。なんとなくだが、大魔法使いよりも僕らを警戒しているように見える。


急速する巨大な魔力反応が迫る。数三体!


「ポラリス、助けに来たわよ!」


「エヴナ!援軍か助かるよ」


「先に行くぞ!」


「リンはせっかちだな」


凄い、目の前で大魔法使いが三名来た。これで状況は変わるか?現状魔導皇帝とは拮抗している状態。五分と言ってはいいのかわからないが、少なくとも絶望的な戦力差があるのにも関わらず、この差が縮まった可能性があるのは幸運だ。


リノの回廊から三人の情報が引き出される


ゼロの大魔法使いリン・シャオラン

神天楼の大魔法使いハザマ・シノミヤ

氷帝の大魔法使いエヴナ・イグルノヴァ


未来観測所シェルムの情報は莫大だが完璧ではない。例えば、魔導皇帝に勝てるとか、どんな能力とかなどは何も記載されていないのだ。


ただ、魔導皇帝を名乗る未曾有の厄災が来るということだけ。そして、高い確率で僕らは負けると。


他は次の特異界で出会う人物についての名前らだ。

今は目の前の戦闘で頭がいっぱいだ。それは後回しだ。


この情報というのが検索をするようにリノの中にある情報から自分で検索して調べないと教えてくれないという難点もある。リノが占いみたいという点にも合点がいく。


おそらく情報は膨大だが記載されている内容は確定されている情報だけで、不確定の内容は未来観測所シェルム破壊と何かしらの関係があるのかも知れない。


「お前の魔力をゼロにする。全てを無力化せよ」

盤古開天闢地ばんこかいてんびゃくち零域リン


「リノここから離れるぞ」

「はいお姉さま」


網膜に表示された周辺魔力量がゼロになった。それと質量も何もかもがゼロになった。なんだあの魔法?能力?技は?!


「凄い魔法というべきなのか、スキルなのか?」


「ポラリス、彼も私たちと同じ転生者よ、確か生前は中華とかそういう名前の国だっと思うわ。この世界に来ても東の大国の国王にして最高戦力を誇る最強の古代魔法使いよ」


「リン・シャオラン、出会う形が違ってもう少し早めにあっていたのであれば、楽しい関係にもなれたかな」


「あはははっ、ポラリス、あなた面白いわね。この状況でそれを考えるって余裕って意味よね。流石は私のライバル!」


「ライバルなんて言うエヴナも大概だよ」


周辺の魔力量が本当にゼロになった。魔導皇帝が僕らにしていることと同じ環境をリンは強制的に広範囲に制約をかした。


「魔導皇帝陛下、これであんたは俺たちと同じ条件だ。あんたを中心にして広範囲の魔法に作用する力全てをゼロにした。これで対等だな」


「ゼロの大魔法使いリン・シャオラン。我は寛大だ。この程度想定の範囲内だ」


「負け惜しみか?」


おいおい煽ってどうする。


「貴女って顔に出やすいのね。面白いわ。あれでいいのよ、ポラリス。あれがリン・シャオランの戦闘スタイル。今、私たちがあの空間に行ったら全ての力がゼロにされるは私やポラリスも例外じゃない。彼だけが持つ最強の究極特異技能アルティメットユニークスキルなのだから」


究極特異技能アルティメットユニークスキル?」


「ポラリス知らないの?貴女もてっきり持っているかと思っていたけれども。あれはね、究極技能アルティメットスキルの先にある極め果ての域。私がこの世界だとパルムの次に最高保持者よ」


「道理で僕の攻撃が通用しないわけか」


「私もポラリスに同じ意見よ。試合といえ、お互い様ね。試合はあくまで試合で戦争じゃない。でも、これは戦争。全力で戦闘しないとこちらが死ぬわ。万が一リンの攻撃が決定打にならかったら私らの番よ」


「御身事なり、リン・シャオラン」


「負けたときの言い訳か?今、この広範囲の空間は何もかももアンタもゼロになった。防御も回避も不可能だぜ、逃げる力もゼロにした。出し惜しみは無しだ」


天地開闢てんちかいびゃく祝融しゅくゆう


ゼロから生み出された創世神の名を冠する聖なる業炎という極大魔法が魔導皇帝に回避不可の直撃を与えた。


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