#87 神々の美しい火花よ
もはや、闘技場は原型が無くなりつつあった。このブラックホールと神にも届かんとする雷は有象無象を全てを飲み込み破壊し灰にした。
「見事なり。か弱き少女らよ」
「「!!」」
光すらも飲み込むこの重力の渦の中で耳に響くこの声。まるで頭の中に直接響くような声だ。圧倒的な力と存在をあの黒い重力の塊の中から感じられずにはいられなかった。
「ポラリス、油断せずに力はそのまま全力でこのまま灰にするわよ!」
「ああ、勿論!!」
『黒点域最大出力!!』
更に重力が強くなった。空が割れ大地が割れ大気も灰になり光が歪みあらゆる全てが灰になっていく。
《敵、未だ健在。中心部、特異点崩壊!来ます!》
「「!!」」
「見事なり。か弱き少女らよ」
『ド・アースジ』
ブラックホールを包み込むように大魔法陣が複数現出する。あれはなんだ?!僕は魔法の知識は無いがあの魔法陣からは見ただけでわかる出鱈目な力であることが。
瞬間に黒い重力の渦が散った。重力の反動で大都市全体を暴風が吹き荒れる。
「ッ!」
通常攻撃は効かない。エヴナの攻撃も効かないかも知れない。被害がこれ以上広がらないように、このまま僕の能力で虚数の彼方へ飛ばしてやる。
「君らよくやったね。これからは僕らの番だ」
目の前にいるのは8人の魔法使いだ。一人一人が膨大な魔力量を秘めている。あの人たちは一体。
《観測完了。パルム・エノカに並ぶ大魔法使いだと演算完了しました》
「大魔法使い?!」
「そうさ、僕らはこの世界の均衡を担いかつ最終防衛ラインに数えられる魔法使いさ」
「創世級!!」
「おお!エヴナ!久しぶりー、元気していた?」
「無限の大魔法使いニコラ・エヴァノヴァ!!」
「同じ転生者としても同郷だしもっと仲良くやろうよー。親の仇でもあるまいし、こんなときに敵視しても何も生まれないし、それに眉間に皺増えるわよ」
「アンタはいつも一言余計なのよ!」
「さて、世界最高峰の特異世界魔法大連盟序列3位のエヴナ・イグルノヴァもいれば戦力としては申し分無いだろう。それと君がパルムが言っていた虹色の人だね」
「え、と、虹色の人?」
長身長髪で金髪が光る鼻筋がスッと通った美人なお姉さんって感じだ。アニメで言うとエルフとかに近いのかな。耳は尖ってはいなさそうだ。
「ああ、すまない。確か、ポラリス・ステラマリス君だったね。よろしく私はニコラ・エヴァノヴァ。しがない世界最高峰の魔法使いの一人さ。よろしくね」
「あ、はい。皆さん創世級の大魔法使いの方々ということですか?」
「そう、今ここにいるのが全員大魔法使いさ。パルムとシンデレラはちょっと飛ばされちゃったみたいだから少し時間かかるかもだけれども、私を含めて8名がここにいる。これから奴を全力で阻止する。そして、君にはパルムと旅に出て欲しい」
「何故、それを?!」
「ふふふ、パルムや私らをなめちゃいけないよ。私らは別にしても君をここで死なすわけにはいかないからね。ポラリス君、君はこの特異界でも鍵なんだ。世界を渡らなくちゃいけない。私らもそれくらいの事態がこの特異界にも起きていることぐらいは把握しているさ。ようこそ魔法の特異界へ。そして、良い旅を。それまでは僕らで君を守るよ。さて、来るよ」
「!!」
「これは良い、良い光景だ。我の前に罪人全員がいるとは都合が良い」
「さて、シキと君は同じでその上の存在だね?この世界を滅茶苦茶にしてくれた代償は支払ってもらうよ」
『ダスース・クラ』
見たことの無い大魔法陣。感じたことの無い巨大な力。この魔法の世界では明らかに異質な存在。さぁ始めようか。君はここで終わらせてみせるよ。
『不思議魔法:もつれた階層』
空間が区切られたようにブロック状になり捻れていく。魔導皇帝を捉えた。
《敵対象から高エネルギー反応。残り2秒》
「時空間固定迷宮程度だと、奴には効かんか。でも充分。キミ!!」
捻れた空間がみるみる内に崩壊してくる。
「初めまして、私はキミ・ラルクベール。貴方は神を信じますか?」
「我は魔導皇帝なるぞ。神など下等な存在は不要」
天界の大魔法使いキミ・ラルクベールが放つ天界魔法は絶大だ。天使の軍勢に天界にしか無い魔法をこの世界に唯一だけ純粋な魔法を行使できる者だから。神や天使を冠したスキルや魔法はこの世界には数多に存在するが、キミが行使する魔法やスキルは純粋に神や天使を冠した彼女しか行使できない代物なのだ。
「では、神の使いの業火に焼かれなさい」
『兆教者』
聖なる光が魔導皇帝を包み込んだ。巨大な闘技場はもはや原型はとどめていない。都市の大部分も衝撃波と爆炎で大地と建物らを破壊尽くした。




