#85 圧倒的な未知
「余に楯突くとは不届き、パルム、シンデレラ」
「私らのことも調査済みということね。アンタがどこの誰かはさっぱりだけども先日の事件との関連は充分にありそうね」
「パルム、大魔法使いとして栄誉の死を与えよう」
「そりゃどうも。でも、私ら死ぬ気ないんで」
『オプトラ・ランバル』
見たことの無い魔法陣が出た。魔法陣の規模と大きさを想像するにあれは大魔法の一種と同等だと判断。リリアンがこの都市全域に転移保管魔法を行使して住人は避難させた。見事な手際だ。これで私も全力が出せる。
「私の天蓋が展開中なのを忘れたのか何とか帝」
「造作も無きこと」
「!!」
私の天蓋が解除された。何をした?!禁忌魔法だぞ。いや、敵はあのシキよりも強く恐らく上位互換だ。仲間の大魔法使いが到着するまで1分切った。それまでには決着をつけたいけれどもそう簡単にはいかなそうな気がするのは長年の勘というやつか。
『シースラオパー・ル』
何かの魔法かと思った、あの魔導皇帝を名乗る奴の白い指がフッと軽く指を詠唱後動かした直後、会場から都市外部まで衝撃波で縦に吹き飛んで大きく抉った。抉った跡が地平線の彼方まで続いている。なんていう破壊力、なんていう力。
『天体魔法:神陽』
上空に浮かんでいる敵へ最大の放射熱魔法をぶっ放した。巨大な灼熱光線は宇宙へ飛び出し他の天体へ届く勢いで閃光が星々を光らせた。
閃光が晴れると敵は無傷で悠然に立っていた。防御した形跡も動作も無い。やはり感知出来ないことから実在していないのか?!
「ならば!!」
『自由の杖』
自由の杖を出した。今の私は魔法界においては無敵になった。直撃させる!
私の転移魔法は特別製でな。間合いの詰める速度は魔法界一だ。そして、直撃を受けろ!!
『王笏』
「なッ!?」
片手指先一つで止まられただと?!この杖はあらゆる魔法や防御が不可能な力だぞ?!創世級の戦争でもこの杖で受け止められた存在など神ですらいなかった。
「よい、パルムから消えろ」
『サンクタク』
何だ?!この魔法陣は?!先程とはまるで違う構成に違う文字だ。あらゆる魔法言語で書かれたもので該当するものが無い。敵は何者なんだ?!
指が触れた瞬間に杖が弾け飛びパルムは都市郊外へ吹き飛び轟音と共に巨大な衝撃の柱とともに消えた。
「パルムー!!!あのパルムが劣勢だと?!過去にもそんな神話や歴史ではなかったぞ。でも、あの程度で、くたばるわけ無いから、ここは奴を私が止めるしかないか。何故私が武煌の大魔法使いと呼ばれる所以を教えてやる!!」
「次、シンデレラ」
「気安くファーストネームで呼ぶな!!控えろ!!我が名はこの武煌国国王にして大魔法使いのリリアンシュナーベル!!!何故、武煌と呼ばれる所以を貴殿に教えてやる」
『空王魔法:大筒君』
「宇宙の果てまで消えな!!!」
『天道龍』
「未知とは恐怖と知れ」
『リーベルカンス・リズ』
星を砕く光を片手で弾いた?!有り得ない!!?
何だあの魔法は?!
「よい、未知とは恐怖なのだよ。シンデレラ眠れ」
『エーク・ラダ』
白い炎の弾幕がシンデレラ・リリアンシュナーベルを捉え直撃して地平の彼方まで轟音と共に、爆炎の柱が山ごと消し飛ばした。
◇
エヴナは知っている。今、消し飛ばされた二人がどこの誰でどの程度の実力を持った強き者だということも。あの二人は世界に十人しかいない創世級の大魔法使い。
遠目だったけれども世界最強の大魔法使いのパルム・エノカと武煌の大魔法使いでありこの国の国王であるシンデレラ・リリアンシュナーベル陛下。その二人が一瞬で排除された。
実力は魔法を知っていれば嫌でも耳にする。この世界にとっては世界基準で最高峰の戦力が一瞬で未知の攻撃で伏せられたのだ。敵と呼ばれる存在は相当というか世界最悪級の何かだ。
次は間違い無く我々を狙ってくるだろう。さて、どうする。
「ポラリス、あの敵次は私らを狙うわよ」
「エヴナ、わかってる」
「ここは共同戦線と行こうじゃ無いの。ライバルとして」
「それは嬉しい話だ」
◇
「次は貴女らだ。異世界に招かれし、か弱き少女らよ」




