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ポラリスの多世界  作者: 一
特異大魔法世界編
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#83 絶望の来訪


虚数空間がエヴナ・イグルノヴァを飲み込んだ。もはやこの空間は僕の完全領域だ。いかなる剣だろうが魔法だろうが、リノみたいに虚数を書き換えさえしなければ脱出は不可どころか抵抗も出来ない空間だからだ。


「これは初めて見たわ、これは何かしら。これがポラリスのとっておきというわけね、見直したわ。認めてあげるポラリス。私は強敵と認めた相手にはファーストネームで呼ぶようにしているの」


「そうですか、では僕もエヴナと呼ばせてもらおうかな」


「ポラリス、貴女本当に面白いわ。この大会が終わったら一杯付き合ってもらおうかしら。奢ってあげる。勿論私が優勝した賞金でね」


「それは嬉しい申し出だけれども、優勝するのは僕だよ。エヴナ」


「ふふふ」


《観測掌握完了。虚数空間内はマスターの絶対領域です。観測精度が数段に上がります》


「ソラ、行くぞ!!」

星虚衣ほしなしのころも


「ゾクゾクするわ、ポラリス!!」


エヴナのテンションがとても高くなって来ているのは気のせいだろうか。戦闘狂なところもあるのかも知れない。それか、戦いの場でしか自分の意味を見いだせないとか?そんなバカなな。ただの雰囲気だがそう感じたの事実だ。さて、どうするかな。


星崩衣せいほういは解除した。星虚衣ほしなしのころもを展開したから彼女の攻撃がもはや僕に当たることは無い。全ての攻撃や能力による影響は虚数の彼方へと飛ばしてしまうから。


まただ、瞬きをした瞬間に間合いを詰められる。これはエヴナの能力だろうな。ソラが観測出来ない以上どうしようも無い。ちなみに鑑定というスキルも一応あるし、試してみたが案の定鑑定出来なかった。僕とエヴナの実力差というものかも知れない。


剣の連撃が瞬間移動では避けられない速度で斬撃が飛んで来る。おかしいだろ、これが転生者の力か。これがチーターか。本当にアニメの主人公みたいな能力だ。力もステータスも凄いし、性格は少し歪んでいるけれどもそれはこの世界で過ごしてきた環境のせいもあるかも知れない。それは彼女が全て悪いというわけでは無いだろう。


僕だっていきなりこの世界へ転生して転移したとか自分では自覚は無いけれども、生まれ変わってこの特異界を助けて欲しいとプロエさんにも亡きエリアスさんにも言われて自分で納得して今こうしてこの場で自分の宿命と向き合っている。こうなることも今のリノは既に知っていたのだろうか、この大会が終わったらちゃんとこれからの話をしなきゃな。



「リリアンシュナーベル、結界に罅が入っているが大丈夫か?」


「あ、うん、だ、大丈夫、ぶぶ」


「大丈夫じゃないじゃないか、私も手伝おう」


「え?!いいの!!わぁ嬉しい!!私らの結界師団ではあの二人の力を抑えきれなくてさー。本気出し過ぎ。あの力、戦争並みだよー」


「ほら、わかってるから結界の強度を十段階まで上げるぞ」


「じゅ、じゅう、十段階?!」


「そうだろう?あの二人にはせっかくだからとことんやってもらおうじゃないか。大丈夫、あの二人なら全力でやろうが死にはしないさ、今までの戦いを見ていてもそう思うし、それにポラリスのあの虚数攻撃は見事だ」


「そうだよねー、あれ虚数攻撃って言うのか。まるで次元魔法みたいだね。禁魔法の」


「我々だと私を除いてはそうかも知れないけれどな」


「パルムは転生者だからなー、色々な知識があって羨ましいよ」


「ほらほら、結界の力を緩めない」


「はいはーい」


「返事は一度!」


「あいあーい」


「はぁ、リリアンシュナーベルは相変わらずマイペースだな。さて、ポラリス、サポートはこちらが全力でする。果たしてエヴナ・イグルノヴァを倒せるかな?この世界で指折りの魔法使いで転生者だぞ」


それに色を使う技も見せた。私がシキを倒したことで所有者が変わったか?まさか、あのシキと同じ技をポラリスが使うとは思わなかったぞ。だが、私にはわかるポラリスは敵では無いと。



「「!!!!!」」


二人の創世級ジェネシスは数百億年振りに悪寒した。


「なんだこの気配は?!」


「リリアン!!観衆を全員空間保管しろ!!」


「ああ!!」



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