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ポラリスの多世界  作者: 一
主特異界編
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#20 多世界跳躍の日

リノ・ノノは引き継がれた膨大な情報を整理していた。7つの特異界のこと、先々で合流する方々の情報など、最重要機密情報を整理していた。


通常、他特異界の存在は理論上では証明されていたが、実際にあるとは思わなかったというのが本音だ。あくまで机上の理論の話なので、多世界や同特異界の宇宙での恒星間や銀河間の交流や交易はあれど、他特異界との交流や交易等は存在しないと思われていた。



このことを知るのはジグラット内でも一部の上層部しか知らない最重要機密事項ということみたいだ。

そして、どうやってその別の他6つの特異界に行くのか。


リノが引き継がれた情報には行き方が記載されていなかった。どうやって行くのだろうか。世界や法則すらも違う特異界へ行くにはどうやって。頭脳の演算装置が情報から導きだそうと思索するも答えはある1つの可能性に帰結した。


お姉さま(ポラリスステラマリス)の能力で行くのですね」


「ご明察通りだ、主席官。彼女の能力ポラリス・ステラマリスで行ってもらうことになるだろう。現在、我々が使用していた航路は断たれており、あらゆる通信が不可能という結果になっている。だが、彼女なら多世界を越えるスキルで可能となるだろうと結論付けている」


「あの、プロエさんはどうして僕にそのようなスキルがあるとわかったのですか?」


プロエさんは紅茶を一口飲み、一息置くと話始めた。


「未来観測所シェルムの報告書の情報からだよ。我々はポラリスくんが多世界を越える能力をここに来るまでに保有していることを既に知っているのだ。勿論、これからのことも」


「つまり、僕のことは全て知り尽くしているということでしょうか?僕は今後どのような状況になるのでしょうか?」


「我々がポラリスくんに伝えられることは一つだけ。この世界を助けになることに協力して欲しいということだ。その為に他の6つの特異界より絶対最終防衛ラインを担う彼らと合流して欲しいということ。今いる世界においてはリノ・ノノ主席官に当てはまる。合わせて、このことが出来るのは、ポラリスくんを置いて他にいないということだ。未来観測所シェルムの報告書でも同様の内容が報告に上がっている。勿論、プロエの言葉や選択すらも」


「エリアスさんからも同じような頼みを受けました。僕は個人の心も協力させていただきます」


「感謝する。ポラリスくん、実に勇敢だ。本当に。ポラリスくんの中にある力や意志がそうさせているのかも知れないね」


「ありがとうございます。ただ、僕はプロエさんが思う程、勇敢ではありません。自分の気持ちに正直に生きているだけです」


不思議と後悔や不安や心配は湧き上がらなかった。僕も僕が知らない内に成長しているのかも知れない。だが、敵は強い、強かった。僕はもっと強くならなければならない。


「さて、ポラリスくん、リノ主席官は特別な任に着いてもらうことになる。情報は全てリノ主席官へ我々が知りえた情報は共有させていただいた。今後の行動についてはリノ主席官と相談するといい」


「「はい」」


「お姉さま、もう少しお時間をください。情報量が多いので」


「構わないよ。リノのペースで。プロエさん僕はどうやったら今まで以上に強くなれるようになるでしょうか?もし、教えていただければとても嬉しいです」


「そうだね、それは他の特異界に行けばわかるよ。現状でポラリスくんの力は凄まじい成長速度で進化をし続けている。この特異界では臨界点にあるだろう。つまり、様々な世界の力や流れを知り、成長するといい。それまでは我々がこの世界を保ってみせよう」


「この世界で出来ることは終わっているということですか」


僕は焦っているのかも知れないと頭を過った。強さを求めるには多世界へ渡る他無い。落ち着かなければ足元を掬われる。気を引き締めた。


「わかりました。自分の真核にも聴いて跳躍方法を模索します」


「心配せずとも、ポラリスくんは我々には無いスキルを保有し、行使できる力を持っている。力は破壊だけではない。運命や宿命を司る場合もあるのだ。君には資格がある。神煌核の意志の導き通りにね」



世界は増殖し、自分より強い存在を知り、広さを知った。自分の役割を知り、目的も出来た。


転生して1週間というところだろうか。とても濃い1週間だった。僕はもっと強くならなければならない。力に溺れていることは無い。寧ろ、力が無い自分に無力さを心の底から感じている程だ。僕は弱い。


「お姉さま、一緒に強く成長しましょう」


「そうだね」


リノは感が鋭い。僕の心なんてすっかり見透かしているようだ。リノも絶対最終防衛ラインの1つに数えられているところを見ると、リノももっと強くなるのだろう。そして、僕らがこれから出会う彼らと言われる方々も。


プロエさんとの会話は1時間程度で終わった。世界のこと、十煌神という存在のこと、歪みのこと、僕らがこれから渡る特異世界のこと。


まずは、魔法の特異界ゼーマ・デウスへ。


パルム・エノカ、絶対最終防衛ラインの1人。魔法特異世界最強の大魔法使いとのこと。実力はプロエさんと肩を並べる程だという。


僕は真核に問う全宙ソラさん飛べるかい?


私の主(マイマスター)、問題なく飛べます》


どこからともなく、鐘の音がした。

祝福されているだろうか、門出を祝われているのだろうか、不思議とそんな気持ちになった。


次回から新章に入ります。


更新はゆっくり目になりますが、ご容赦ください。

引き続きポラリスと多世界をよろしくお願い致します。

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