#10 模擬戦後
ポラリスとノノとの戦闘内容について、戦略戦闘分析局では戦闘内容について、どよめきたっていた。
戦闘領域内にて、ポラリスとノノの戦闘後の破壊されている空間内に二人の分析官がいた。
「まさか、ここまで空間が損壊が大きいとは。。それに、ノノ主席官が負けるとは。予測データからではノノ主席官が勝利するという結果だったのに。確かノノ主席官の実力は主力戦艦級ですよね?」
そう言うと、戦略戦闘分析官のハンは動揺を隠せないでいた。
「そうだ。ノノ主席官の戦力は防衛ラインに配属されるレベルだ。ノノ主席官の一方的な敗北は、現状の結果では異常だと言えるだろう」
ハンの上司であるランダも同様に異常という認識だ。
あり得ないないのだ。この一方的なノノの敗北という予測を超えた異常と言える状況というのは。
「まさか、1億の特異点を”0””にするとは。。1億ですよ。それに、ノノ主席官の進化というのは今後の世界にとってもありがたいことですが、このエネルギー量は予測しておりませんでした」
「そうだな....」
ラムダは特異点の爆発を阻止してくれたポラリスに内心感謝していたが、同時にポラリスという存在の異常さについても恐れていた。
ポラリスという個人または存在から観測できない能力や観測データから未知数と観測されたからだ。
合わせて、転生転移という検閲観測史上唯一無二であるポラリス、この特異界へ来て1日で、ノノ主席官という主力戦艦級への一方的な戦闘をこうも平然と行えてしまうことについてもだ。
今のノノ主席官は戦闘中に進化してしまったので、主力艦隊規模の戦力を有しているのかも知れない。
もしくはそれ以上だ。1億の特異点の現出も問題でもあり、下手すると、この世界、いや特異界という宇宙が消し飛ぶ威力だからだ。
アンドロイドというよりは超個人武力兵装というべきかもしれないが、現実はその武力を持ってしても、一方的に負けたという現実とこの空間の損壊具合だ。
通常、戦闘領域空間内では様々な兵器、能力、大規模戦闘にも耐えられる虚数空間であり、あらゆる次元を超えた戦闘すらも耐えられるように構成されており、破壊は不可能という耐久性をもっていたが、現実は損壊が激しい状態だ。
虚数空間とはいえ、1億の特異点が弾けた場合はどうなるかは予測はつかないが、果たして1億の特異点が原因でこれほどのダメージを戦闘領域空間に与えたのか?
疑問を損壊している壁を見ながらラムダは感じた。
「ラムダ上級分析官、戦闘領域分析完了しました。いやぁ、これは良いデータが取れました。解析がとても楽しみですね」
ハンは損壊した戦闘領域空間で浮足立っていた。分析官としては間違いの無い反応だ。
ラムダは何かを感じ、違和感というより、希望のような得体の知れない複雑な気持ちになっていた。
◇◇◇
「エアリス様、戦闘領域管轄の戦略戦闘上級分析官より報告書が届きました」
「ご苦労」
エリアスが労うと、上級官僚が一礼して退室した。
上級官僚からの分析官の報告書に目を通す。
勿論内容は、ポラリスとノノとの戦闘データについてだ。
「戦闘領域の損壊と、ノノ主席官の進化、ステラマリス君のデータ分析不観測か、興味深い結果だ」
エリアスは小さくほほ笑むと、ポラリス・ステラマリス君への期待に、自分の目が間違っていなかったことと、この宇宙(世界)の意志で特異界に招かれたことを改めて確信した。
◇◇◇
戦闘後、自分の部屋にて。
《ポラリス様、観測より進化し、全天になりました。改めて主よろしくお願いします!》
「おう!全天よろしくな!ちなみに、観測さんはどんな扱いになっているの?」
《観測は潜在能力Oの発芽により、Universeとなり統合し進化して全天となりました。能力の純度と性能は飛躍しています。その他、コミュニケーションに関する人格も引き継ぎされ進化しています》
やはり、ノノとの戦闘で僕は大幅に進化してしまったようだ。
あまり実感は無いけど、内から巨大なエネルギーを感じた。確か、最後吸収したって観測さん言ってたもんな。
「にしても、発芽したというUniverseって宇宙って意味なのかな?」
《Universeはポラリス様だけの唯一無二の覚醒能力になります。認識する全ての空間へアクセスと解析が可能になりました》
「え?アクセスってどうゆうこと?」
「スキル「跳躍」と潜在能力「Universe」を組合せた能力となります。潜在能力は主が保有する、今後、進化または獲得する全てに対して組み合わせて使用することが可能となりました」
サラッと説明された。
Universeって宇宙って意味だよね?なんだか、身に余るような能力だ。果たして使いこなせるようになるのだろうか。
「明らかな実践経験不足だよな」
《全天も全力でサポートさせていただきますのでご安心ください!》
全天さんはやる気満々で、僕の小さな悩みを吹き飛ばすように明るいテンションで言ってきた。
とても頼もしいし、嬉しかった。
「ああ、引き続きよろしくな”相棒”」
《はい!主!!》
ノノは戦闘後、僕の部屋には来ていない。何やら上司のエアリスさんに呼ばれているそうだ。
さっきの戦闘のフィードバックを受けているのだろうか。
この世界も生まれ変わる前のような組織や縦社会や人間関係があったりするのか、と思うと異世界に来たというよりは、違う社会に生まれ変わったような気持ちになった。
どんな世界だろうが、一人じゃ生きていけないし、種族とか不老不死とか関係なしに、世界には世界の法則や流れというか、ルールやしがらみがあったりするものなのかなっと、装飾された天井を見てベッドへ寝そべった。
とは言っても、この世界のこともなんも知らないし、ただの直観だ。
3年後自分が生きているかなんてわからないけど、もし生き残っていたら、いつか色々な人や文化、景色を見てゆっくりのんびり過ごしたいものだ。
なんて、ふかふかなんだろうか。
このホテルのベッドはきっと魔法がかかっているに違いないと確信した。そもそも、魔法を知らなし、見たこともないのだが。
疲れてはいないが、ふかふかのおかげで、疲れが癒されるような幸せな気持ちが湧き上がってくる。
3年後、本当に世界は終わってしまうのだろうか。僕は役に立つのだろうか。先のことは考えてもどうしようもないのだが、つい考えてしまう。
このあたりは、生まれ変わっても変わらない部分だ。
ただ、実力不足からくる心配はあるけれども、得たいの知れない漠然とした不安は感じなかった。
きっと、ノノや全天のサポートやエアリスさんという出会いもあったおかげが大きい。
さっき初めての戦闘を経験し、驚きもあったけれども、戦闘訓練をするということは、おそらくエリアスさんや他の十煌神らや上層部は”敵”がいることや戦闘することが前提で動いているのだろうと思った。
敵ってなんだろうな。
「3年後...観測できないか。もっと力をつけなくちゃな....」
目を閉じて僕は呟いた。




