001:プロローグ
今から遡るほど50年前、南極に巨大な隕石が落下した。
人類は初め、この出来事について無関心であった。巨大とは言っても主たる被害は南極にクレーターが出来上がった程度で、日常になんら変化をもたらさなかったからだ。各国政府も落下地点の調査を一通り済ました後は、特に何も手段を講じなかった...
しかしその隕石は、やはり人類へ大いなる変革をもたらす...
落下から10年後、突如落下地点にワームホールが発生し、得体の知れない化け物、ロウズが這い出てきたのだ。ロウズには地上の兵器は効果が薄く、世界の終焉は目前かと思われた。
だが、隕石がもたらした物は厄災だけではなかった。ロウズ発生と共に、ほんの極一部の人類が特殊能力に目覚め始めたのだ。
その能力は、発火能力、巨大化などありきたりなものから、体の一部をプラスチックにするなど特異なものまで様々である。
ロウズが現れた際、偶然南極付近で観光をしていた異能力者がロウズと交戦してこれを撃破。この特異な体質がロウズに対して有効であることがわかった。
国連は能力者となった人々を集め特別組織を結成。異能力者たちの名を「ホルダー」と呼称し、ロウズたちを撃退した。このときのホルダーはたったの10名であった。
そして現在、2120年。ロウズ達はワームホールを世界各地にまで展開し、人々を襲うようになっていた。それに対抗するため。人間側も全世界に約10万まで増えたホルダーたちが日々戦っている。
ホルダーが世間に浸透し、怪物たちと戦う、まさに「ヒーロー」として受け入れられた時代。
ある青年が高校に転校し、そこで頼もしい仲間と出会い、苦しい出来事も経験して、1人のホルダーとしてさまざまな強敵と戦ってゆく物語である。