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その32

「え?」クーは何を言っているのだろうか。


 ―――――にゃにゃみちゃん、検索をつづけて。


 七海は、今度はマリー・テレーズ王女について調べ始めた。マリー・テレーズは、歴史を紐解くと、ルイ16世一家の中では唯一生き延びてはいるが、子供は残していない事。生き延びたものの、不幸続きであったこと。


 そして、ヴェルサイユ宮殿の小間使いの産んだ娘がに彼女そっくりで、ルイ16世が後に養女にまでして


 行き届いた教育を施していることを、知った。


 ―――――かなり早い段階で入れ替わっていたんだにゃ。ルイ16世は、凡庸だと言われていたけれど、時代を見る天才だったんだにゃ。


「じゃあ、私があっていた王女は…………」


 クーはうなずくと、


 ――――たぶん、テュイルリー宮殿に行ってからの王女はもう入れ替わっていたんじゃにゃいかにゃ。マリー・アントワネットは王子ばかりを可愛がって『私の可愛いキャベツ』って呼んでいたし、後年、王女が母親を嫌っていたという記述も残しているし。本物の王女マリー・テレーズはロシアに逃げ延びて、そこで貴族の一員となって結婚し、子供を持ち、ひっそりと生きたんだよ。


 七海が検索を続けると、マリー・テレーズの替え玉説は当時からあったという事、ドイツの『闇の貴婦人』と呼ばれる人がその人ではないかという事が出てきた。


―――――それは違うひとだよ。王女は国民軍だけでなく、国王の弟や叔父からも命をねらわれ、姿を隠さなければならなかったから、本当に、ひっそりと生きたんだよ。


 そして、彼女の子孫がロシア革命の時に革命を逃れて日本に亡命したんだ。そして、日本で幾瀬家の人と結婚して子供を持って、その子供たちがまた次の代へと命をつないできた。その血筋は今、にゃにゃみちゃんまで続いているんだよ。にゃにゃみちゃんはおじいちゃんから聞いたことがあるでしょう。「うちにはロシア人の血が流れているんだ」って。


 そういえば、と七海は思い出していた。小さいころに友達に、「七海ちゃんのおじいちゃんはとってもかっこいいけどハーフなの?」って聞かれた時だ。その時におじいちゃんからそのことを聞いたのだ。


 ということは、あの国王様と王妃様、王女様は私の親戚なの?と七海はぼんやりと考えた。そんなことがありうるだろうか(七海の頭の中にはご先祖様、というワードがとっさに浮かばなかったようです。ご了承~♡)。



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