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その11

「私の住んでいたところでは、指で押すと開いたり、目で見たら開いたりしますよ。それから、声でも開きます」


と、七海は自信満々で教えてやった。


一瞬、場が、水を打ったようにシーンとなった後、ぷっと誰かが吹き出すと、一斉にどっと笑い声が起こった。王妃も笑っていた。七海は


……………は、恥ずかしい。……………こんなこと、ここで言っても誰も信じてくれるはずがない。頭がおかしいと思われたのかもしれない。

七海は、その場から消えたくなった。




だが、


「そりゃ、素晴らしいね」という声が聞こえてきた。

ただ一人、七海の事を笑わない人がいた。ルイ16世だった。


「トレビアン!!そんな錠前、私は思いつきもしなかった。…………七海はどこの国からきたのだ?それはもう実現している錠前なのか?そういった案があって、今、研究途上だとしても、発想がすばらしいよ。ああ、そんな仲間に入って議論がしたいものだ!」


国王ルイ16世は目を輝かせてそう言い、胸の前で両手を合わせた。


王妃をはじめとする周りのものは――――彼の従者でさえ、また始まったか、とでも言うような表情を浮かべ、少し馬鹿にしたように国王を見ていた。


だが、七海は、その言葉に救われた思いがし、またその様子は、何かに夢中になった少年の様に七海の目には見えた。


…………国王様は、素敵な人だ。


七海は眩しいものを見るようにルイ16世を見つめた。


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