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その10

部屋の中にいた女官たちが整列し、ドアが開くと一斉に腰をかがめ、優雅にお辞儀をした。


ただ、マリーアントワネットだけがほほえみを浮かべ軽くかがむにとどめていた。


「ようこそいらっしゃいました、陛下。今日の公務はもうお済みになったの?」


七海は女官たちの真似をして少し遅れてお辞儀をしていたが、その前にその姿をちらっと見ており


………………大きくて(この人も身長が190センチを超えていたという説があります)もっさりした優しそうなオジサンだにゃ。


などと考えていた。


ルイ16世は妻に会えたことが嬉しいようでニコニコとその顔を見ていたが、ふと七海に目を止め、


「この者は?外国人のようだが?」と妻に尋ねた。


アントワネットは


「今日雇い入れましたの。七海と申します。こんな時になんですが」と七海を紹介した。


ルイ16世は、しばらく七海を見ていたが、突然


「そなたの国の錠前はどのようなものかな?」と七海に直接問いかけた。


「錠前?」


「ああ。こういった物の事だ」


国王陛下は、少し黒く汚れた手で従者の手から受けとった、少し大きめの、きれいな飾りのついた、でも基本構造は100均に売っている、「ロック」のようなものを七海に見せた。


「私はこれを作るのが趣味なのだよ」


ああ、それで機械いじりで手が汚れているんだな、おじいちゃんとおんなじだあ、と七海は少し嬉しくなった。


「とてもきれいですね」七海がそういうとルイ16世も嬉しそうに笑った。


…………もっと笑わせてあげたい。鍵の話をすると喜ぶのかにゃ。だったらロック解除の話をするかにゃ。


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