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第三十一話:嘆きの鎮魂歌


「どう、して……?」


抱きつく忍をよそに、耕作は崩れるように倒れ伏した。


忍は急いで耕作を抱き起こすも、反応は無い。


「耕作……?冗談は止めてくれ、なあ、私を驚かそうったってそうはいかないぞ?」


頬を叩き、体をゆするも、やはり反応は無い。


「嘘だと、言ってくれよ……!お願いだから、また、目を開けてくれ……!!お願いだからぁっ!!」


顔色から血の気は失せ、体温もどんどん下がっていく。全身から血を流していたという事を考えれば、むしろ良く持ったというところであろう。


先ほどとはまた違った意味の涙が、再び忍の目から溢れ出す。


「お願い、だから……」


しかし、耕作が再び目を空ける事も、忍を抱きしめる事も無かった。


その事実を認められない、認めたくない忍は耕作に声をかけつづけるが、その行為にはなんの意味も無い。


抜け殻のように忍は膝を突き、天を仰ぐ。


忍は、日常というものは強固な壁のようだと思っていた。


それは間違ってはいない。一度築き上げてしまえば、それが崩れる事はめったに無い。


実際、忍は耕作との関係を何度も改善しようとしたが、それが実る事は無かった。


だが、所詮は壁。圧倒的な力を持つものにとっては、なんの障害にもならない。


そして、一度崩れてしまえば、それは一瞬で消え去ってしまう。


残るのは、日常の残骸、だけだ。


忍は再び声をかけようとするが、上手く喉が働いてくれない。


本人が思っていた以上に、耕作は忍の大部分を占めていたのだろう。


「う、あぁ……。うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――っ!!」


まるで慟哭のような叫びをあげて忍は泣きつづけるが、その涙を拭うものはもう、いない。


先ほどまで守ってくれていた手は血の色を失い、ただの肉と骨の化合物と化していた。


「……ゲホッ」


そんな忍の耳に、苦しそうな咳払いの音が入った。


だがそれは忍が望んだ耕作のものではない。


「―――――――――ッ!?」


あの優男が、まだ、生きていたのだ。


「(なぜ……生きている?)」


忍はゆらりと幽鬼のような立ち振る舞いで立ちあがる。


「(しんだんじゃ、ないのか?)」


最早忍の眼に生気は無い。


「(コウサクガシンダトイウノニ、ナゼ、オマエガイキテイル?)」


その目にあるのは、狂気だけ。


耕作に受けたダメージは決して小さくなく、男は殆ど半死半生に近いものだった。


今も、スムーズに起き上がる事は無く、体をよじりながら必死に起きあがろうとしていた。


……そう、忍にですら、隙だらけに思えるほどに。


「ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアア――――――――――ッ!!!」


雄たけびに近い叫び声をあげ、渾身の力で男の顔面を殴り飛ばす。


男は無防備にそれを受け、再び地面に倒れ伏す。


そこへ忍は馬乗りになり、何度も何度も男の頬を殴りつづける。


男の顔が原型を失うほどに殴った。忍の拳が割れても殴りつづけた。


いくら脆い人の顔面といえど、歯等を殴ってしまえば簡単に拳は切れてしまう。殴りなれていない忍の拳ならなおさらだ。


だが、今の忍に痛みに関する感覚を気にする余裕など無かった。


ただ感情のままに、ただ怒りのままに、ただ恨みのままに、忍は拳を叩きつけつづけた。


言葉を紡ぐ暇すら惜しい。恨み言を考える暇すら惜しい。ただ、忍は殴りつづけた。


だが、男が事切れる気配は一向に無い。


女の力といえど、顔面を殴りつづけていればいずれ脳にも損傷が行くだろう。


この男が元々超人的な能力を持っているためなのか、決して死神がこの男の下に訪れる事は無い。


「何故だ……?」


その現実を突きつけられた忍は、思わず呟く


「何故私は……何も出来ないんだ?」


今までも、耕作を助けるどころか足を引っ張りつづけた。


最後は耕作を奮起させる事は出来たが、そもそも私がいなければもっと如何様にも出来たかもしれない。


たら、ればの話は尽きない。そんな事を考えてもどうにもならないのは分かっているが。


「耕作が為した事の……事後処理すら、私は出来ないのか?」


耕作が瀕死にまで追いやった男のトドメすら、忍には出来ない。精神的なものではなく、物理的な問題として。


瀕死の優男でさえ、忍との間には大きな力の隔たりがあるのだ。


「耕作への餞すら、私には許されていないというのか……!!」


忍は男の胸倉を掴みあげたまま、項垂れる。


「何故私はこんなに、無力なんだ……」




































「……後は、鳴神先輩だけか」


耕作達がどうなっているのかを知る由も無い廉達は、一通り傷を治した後にようやく鳴神の治療に取り掛かった。


一度隔離空間を解き、建造物を元に戻しておく。鳴神の親が瀕死で転がっていたのには驚いたが、生きているのなら問題は無かった。


まず最初に氷雨を起こす。この氷が氷雨の能力の制御下にあるのなら、いちいち無理をしなくてすむ。


「おい起きろ。……ったく、お前がもっと役に立てば俺はこんな苦労しなくてすんだのによ」


軽口を叩く余裕の出てきた廉はペチペチと氷雨の頬をたたく。割とペチペチではすまない威力ではあるが。


確かに氷雨は、廉とはまた違った方向性の、単純なパワーの強化があったため、もしかしたらあの女と真っ向からぶつかる事もできたかもしれない。


「ねぇ廉。水責めでもしてみたら?」


「なるほど。その案いただいた」


「そ、それは流石にやり過ぎだと思うな〜……」


東子のささやかな良心は完璧に無視され、氷雨の悪友二人は鳴神家の水道から水を引き、氷雨の口へ水を流す。無論笑いながら。


ちなみに、伊集院は遠くから微笑んでいるだけで何も言わない。


「おー……まだ起きない」


「まあ、眠っているんじゃなくて気絶しているわけだからな。息できないからって起きるってのはないだろう」


「ちょっと、なんか氷雨君の顔色がおかしくなってるよ!?」


遊び心で鼻なんかをつまんだせいで氷雨の顔色が面白いように変化していく。廉が死なない程度に酸素を送っているため、一応死ぬ事は無いが……。


「……まだ起きませんのね。ここまで来ますとむしろ感嘆にあたいしますわ」


それでも起きない氷雨に業を煮やした廉は、とりあえず水責めをやめる。


何故なら、廉は人の意識を覚醒させる方法を既に持っているからだ。


アービティアリィ・ハッカーで氷雨の頭を掴み、弱い電気信号を送らせる。


脳の構造は廉も良く分かってないが、ああすればどうなるといった事なら分かる。


言うならば、パソコンの使い方は分かるけど内部構造は分からない…といったところだ。


……まあ、どこで誤作動を起こすか分からないので出来ればやりたくない。例えそれが氷雨だとしてもだ。


「のふっ!?」


ビクリと電気ショックを受けたように氷雨の体が跳ねあがり、目を覚ます。


廉は色々思うところのあるであろう氷雨がパニックを起こさないようにわざと軽い口調で声をかける。


「ぐっも〜にん。調子はどうだ?」


言ってから妙な気恥ずかしさを感じたが、幸い氷雨はそんな事を気にする余裕は無い。


目を覚ましてすぐに起きあがって辺りを見回し、氷漬けになった鳴神を見つけた途端に崩れ落ちる。


「あ……、俺、は、なんて、事を……!!」


廉としてはこれ以上面倒な事にしたくは無いので力ずくで氷雨を起きあがらせる。


「落ち込むのも泣くのも後にしろ。まだ、賽の目は出ていないんだからな」


目さえ出ていなければ、如何様にも出来る。たとえどんな行為でも。


氷雨は未だに状況が理解できていないのか、呆けた表情のまま立ち尽くす。


「え……?なんで廉が?楓まで?は?」


廉はかくかくしかじかとそのままに氷雨に言い放つ


「生憎だが、楽しい楽しい尋問タイムが待っているんでな。とっととやるべき事は済ませておきたいんだ」


下手に時間を空けて逃げられてはたまらない。さっさと鳴神を治して黒幕の尻尾を掴み取りたい廉は氷雨をせかす。


「それじゃあ氷雨、鳴神先輩の氷を溶かせるか?」


「……それは無理だ。出来るんならとうにやってるよ」


氷雨は苦々しい表情で首を横に振る。……予想できていたとはいえ、雲行きはどんどん悪くなっていく。


廉はアービティアリィ・ハッカーで鳴神の氷に触れるが、全く内部状況が読み取れない上、干渉も出来ない。


かといって、触れる感触は氷に近い。爪を立てれば削ることだって出来る。


もう少し力を込めれば、砕くことだって出来そうである。無論そんな事をしたら鳴神は死んでしまうだろうが。


「……そこまでにしておいたほうがいい」


鳴神救出策を頭で練っていた廉の耳に、落ち着き払った声が聞こえる。


振り向いて見るとそこには、先程気絶させたはずの女が力なく横たわったまま口を開いていた。


怪訝そうに見下す廉の目を見ながら、女は続ける。


「鳴神翼は、死ぬんだ。わざわざその事を確かめなくても済む事だ」


「てめっ……!!」


女の言葉に一瞬で沸点をぶっちぎった氷雨が激昂するが、廉が抑えこむ。


「……どういう事だ?」


廉は二つの意味を込めて問いかける。


一つは何故鳴神が死んでいると断定できるのか。もう一つは……何故それを自分達に言うのか。


女は答えず、ただ目を瞑る。どちらの意味で取ったのかも、知りようが無い。


廉は楓に逃げられないようにと結界を頼み、廉は鳴神に触れる。


とりあえず、少しずつ削っていくのが一番良いだろう。下手な冒険はしたくない。


楓を除く四人で鳴神の氷を少しずつ削っていく。地味な作業だが、命がかかっている以上必死である。


そしてギリギリの所まで削ったら、後は廉に任せる。


廉はアービティアリィ・ハッカーを発現させ、鳴神を薄く覆うだけになった氷に爪を立てる。


体まで凍っている以上、いつ何が起こるか分からない。その時の為に鳴神の体の設計図は覚えておく必要がある。


無論、人間の記憶程度で覚えられるわけも無い。そのため廉はCD−ROMのように近くの岩に情報を刻み込んでおく。


これを応用すれば色々出来そうだなと廉は好奇心に駆られるが、そんな事をしている暇は無いと思いなおす。


「(……よし、コピー完了。これを使えばクローンだって創れそうだな)」


そしてようやく本題に入る。


「(壊死している細胞は、ない。ただ、体温の低下のせいで休眠状態になっているだけ、か)」


まるでコールドスリープだな、と廉は呟きながら鳴神の体を再構成していく。


心臓を無理矢理動かし、新陳代謝を高めて体温を上げていく。足りないエネルギーは自分の体から補填させておく。


そして皮膚に張りついている氷を剥がすために、本来の皮膚の下に新たな皮膚を作り、古い皮膚ごと氷を剥がす。


多少美容の面で問題があるが、後で治すという事で許してもらおう。


あまりにもトントン拍子に進み、むしろ拍子抜けしてしまうが、あの女の不吉な言葉を思い出して気を引き締める。


そして仕上げに氷雨と同じように脳に電流を流して覚醒を促すが、その時妙な違和感を感じる。


何かが、違うのだ。


それを意識した、意識してしまった瞬間、廉の脳内に意味を為さない膨大な量の情報が流れ込む。


「―――――――――――――――――ッ!?」


HDに必要以上の処理をさせてクラッシュさせるように、廉の脳に処理しきれない情報が無理に入り込む。


「いっ彼とすりの町水背らニマ子ミイラナス来いら巣に中肝麻痺いらせニス無かねぞ背ライスに゛ソチねら挺すそ何未知にていなす比散らすな比未知競れ毛コルネ下召せヂ沿い何措置民遺脱立て空に見こかすこなつねり゛値背にらセナ手あやうぬふあ薄輪よ湯巣地とねは秘話歳は湯予期や込みよう床や手う子ユタや合う汲み丘や児湯挺巣和歌歩輸歩輪あ優へ追え歩あゆへ砲湯日地手う湯や日組み遊笑み比世やあゆ上絵ひたボ負あ゜へ日種火チビ世知ね゛で背手ね゛いて背来世よ数不和ぬ―――――――――――!!」


まるでコンピュータウィルスに犯されたように、廉は頭を抱えながら意味を為さない言葉を叫びつづける。


「廉!?」


「廉様っ!?」


東子と伊集院ははすぐに廉に駆け寄るが、廉は虚空に虚ろな視線を向けながら相も変わらず意味不明な言葉を羅列しつづける。


氷雨は女の胸倉を掴み上げて詰問するが、答えは無い。


「かっ……!!」


そして廉は突然言葉を切り、うつぶせに倒れ、すぐに起きあがる。


心配する東子と伊集院に力なく微笑み、苦しい表情で鳴神を見る。


自分の脳にさしあたっての異常は無い。ただ、過負荷を受けただけのようだ。


鳴神は氷を剥がしたのにもかかわらず、氷に包まれた頃のように固まっている。


……いや、違う。


「これが、最後のセーフティ。……言っただろう、足掻く事が全て幸福に繋がるわけではない、と」


鳴神の体へと縦横無尽に落書きが刻まれていく。最早鳴神の肌の色が見えないほどに。


無論それは落書きなどではない。ただの比喩だ。


その落書きに見えるものは――――ヒビ。


パリィン


まるで廉達の日常のように、鳴神の体はあっけなく粉みじんに砕け散った。


「……え?」


刹那、脳が理解を拒んだ。だが次の瞬間には廉は行動に移っていた。


一瞬の動揺がどれほど事態を悪化させるのかを、廉は良く知ってしまったからだ。


「(――冗談じゃないぞっ!!)」


廉はアービティアリィ・ハッカーを出来うる限りに分割させ、鳴神の欠片を繋ぎ合わせる。


だが、数が足りない。分割できて四、五十程度のアービティアリィ・ハッカーで、千を軽く越える欠片を全て拾う事など出来ない。


……千手観音というのは、多くの人を救うために千本もの手を持っているという。


だが、逆に考えれば同時に千しか救う事が出来ないのだ。それも一本の手で一つを救うという前提の上で。


多くの数を救うという意味の比喩だとはわかっていたが、廉は常々思っていた。


――なぜ、千しか救えない事に満足し、万を救おうとしないのかと。


アービティアリィ・ハッカーの腕輪が砕け散り、まるで蜘蛛の糸ほどにまで細い糸に分割されていく。


そしてその一本一本が鳴神の欠片に張りつき、繋げていく。


それを操る廉の脳には想像を絶する負荷がかかるが、廉は諦めない。


「(限界なんて知った事かっ!!俺は言ったはずだ、道理すら作り変えてやるってな……!!)」


最早肉眼で見る事が出来ないほど細くなったアービティアリィ・ハッカーは、まだまだとどまることなくその数を増やしていく。


まるでブービートラップのように、先程のウィルスが廉の脳に侵食してくるが、先程の反省を活かしてその片鱗を感じたら直ちにアービティアリィ・ハッカーを切り取った。


その度に廉の腕は傷つくが、どうせ後で治せるものだ。気にせず続ける。


ようやく事態を把握した氷雨が女を手加減無しで殴り飛ばすが、女は忍のものとはまた違った鉄面皮を崩さない。


楓は鳴神の周りに障壁を創り出して拡散を防ぐが、動揺ゆえか隙間がありすぎて役に立っていない。


東子と伊集院の能力ではここでは役立てる事が出来ず、ただ驚き右往左往するだけである。


そんな中で廉は頭の血管が切れるのではないかというぐらいに痛みに耐え、アービティアリィ・ハッカーを操る。


記憶しておいた鳴神の設計図があるとはいえ、必要以上に拡散してしまえばもう治す事は出来ない。


廉もそれがわかっているからこそ、全力どころか死力を尽くす。


……そんな廉の努力が実ったのか、鳴神の体はどんどん復元されていく。


全体に弛緩した空気が流れるが、廉は最後の一片を接合し終えるまで気を抜かない。


大体十分近く経っただろうか、完全に鳴神の体を復元し終えた廉は力無く倒れこむ。


「廉っ!」


心配そうに東子が――伊集院を押しのけて――駆け寄るが、廉はうつ伏せのまま手を振って無事をアピールする。


楓と氷雨は鳴神に駆け寄るが、まだ目を覚ます事は無い。


「……ざまあみろ、だ。治してやっ……たぜ」


廉は息も絶え絶えにそう呟くが、気分としては最高だろう。


女がどんな表情をしているのか見てみたかったが、体は動いてくれない。


「(ま、尋問タイムを楽しみにしておくかな……)」


後は他のみんなに任せて寝てしまおうかなと、廉は全身の力を抜く。


「――流石だよ」


と、その時廉の耳にそんな女の声が届く。


そこに嘲弄や負け惜しみの色は無く、ただ賞賛と感嘆に満ち溢れているように感じるのは錯覚だろうか。


「……余裕かましてるんじゃないぞ。次はあんたの番だって事を忘れてもらっちゃあ困る」


流石に氷雨に尋問させたらそれは拷問になってしまうので、基本自分がやるつもりだが、だからといって容赦するつもりは無い。


女だとは思わないぞと軽く脅しをかけておくが、女の表情に揺らぎは無い。


ここで少しでも怯える素振りを見せてくれれば溜飲も下るのだが、やはりそうそう思い通りには行かない。


「……だが、やはり君は『人間』だ」


「なにっ……!?」


女の不吉な物言いに、廉は無理に体を起こして鳴神を見るが、特に変化はない。


東子に肩を借りながらも立ち上がり、ハッタリかと廉は訝しむが、そこになんの意味がある?


「人には立ち入る事の出来ない領域があることを学ぶべきだ。……そして、諦める事をな」


「はっ、随分な言いぐさだな。……こちとら、生まれも育ちもただの人間だ。それをただの人間じゃ無くしたのはどこのどいつだ?」


廉は東子に声をかけ、鳴神の所へ連れていってくれるよう頼む。


それを見た伊集院が廉の体を操り、スムーズに連れていく。


廉はアービティアリィ・ハッカーで鳴神の頭に触れ、電流を流す。


「覚えておけ。人間の強みは数の力と適応力だって事をな」


「そちらも覚えておけ。……失われたものは、二度と元に戻る事は無いと」


電流を流された鳴神は氷雨のようにすぐに目を覚ます。
















……はず、なのに。












廉:死人は蘇らない。そんなものは漫画だけの絵空事だと思っていた。


廉:魂なんてものがあるのなら、それすらも作って見せる……、そう思っていた。


廉だが、所詮俺はあくまで改変者に過ぎないということを思い知らされた。


廉:耕作さんと、鳴神先輩の死という事実の前に……。


廉:次回『この手に掴んだ勝利は誰が為に』

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