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バカと吸血鬼

―――スカァ帝国―――


夕闇に町が飲み込まれている時刻

あちこちにある街灯にふんわりと灯りが灯されていく

友達と遊び疲れ急いで家に帰宅する子供たち

狩りやクエストに達成感を感じお酒で疲れを癒す者たち


とても平和な街

だが、裏路地やもっと深い闇には人影が…


路地の壁沿いに背を預け小刻みに震え手と手と組み、まるで神に祈るように目の前にいる人物に頭を下げる


「頼む…っ!やめてくれ…っ私が消えれば困るぞ…っ!私を誰だと思っているんだっ」


小太りでなんの苦労も感じず食料にも困らず生活にも困らずに肥えた豚

豚は脂が乗った分厚い手を目の前に人物に手を差し出した


「私を見逃してくれたら…なんでもお前が欲しいものを…与えてやるぞ…っ」


「欲しい…もの…?」


月明りで少しその場が明るくなり目の前の人物が照らされた

160cmくらいの身長の割には小柄でスレンダーだが体のラインでわかる

彼女は首を傾げ目の前の豚を冷めた目で見降ろしていた


「なんでも…?」


「そうだ!なんでもだ!お前が望むならこの国の少しをお前に与えてもいい!もしくは金か!?」


豚は突然、ぺらぺらと喋りだし命乞いをしてきた

彼女からしたらただ豚が鳴いてるようにしか聞こえずまた首を傾げた


「悪いが…私はな…頭が悪いんだ」


「え?」


豚は口をあんぐりと開け目を見開きこいつ何言ってるんだ?といった感じで彼女を見上げた


「頭が悪い私はただ自分の任務を続行するしかないからとりあえず死んで?」


乾いた銃声音がその場に響いた

冷たい銃口の先から薄っすら白い煙が立ち込めた

先ほどまでブヒブヒと騒いでいた豚はやっと鳴き止んだ


「はぁー…五月蠅かった…」


足元に転がった家畜の頭を邪魔っとぼそと呟きながら蹴とばしその場から立ち去った


「帰って金を貰うか…あれ?帰り道は何処だっけ…?」


彼女はバカな上方向音痴だけどちゃんとした殺し屋である




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