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第18話

「ハア、ハア……、おじいちゃん達大丈夫?」


 集会所周辺の魔法陣から出てきた魔物の全てを倒した京子は、被害が出ていないか村長に確認した。


「あぁ……、大丈夫じゃ」


「ふぅー、とりあえずここの安全は確保出来たみたいだから、田茂輔おじちゃん達の援護に行ってくるね」


「待て京子、いくらお主が魔闘術を使えると言っても所詮は子供じゃ、魔物の事は若い衆に任せて、お主はここで大人しくしておれ!」


 村長の忠告に、京子は首を横に振った。


「今おじちゃん達の情報を魔力探知して視たけど、皆相当疲れてるみたい」


「なんと! 魔力探知まで出来るのか?」


「うん、だから私が皆を援護して挙げないと……」


「しかし……」


「ごめんおじいちゃん、でもきっと大丈夫、もう少しすればきっと俊ちゃんが助けに来てくれるから……」


「俊坊が?」


「うん、だから私行ってくるね」


 そう言って京子は集会所から離れていった。


「京子……」


 そんな京子の後ろ姿を、ただ見送るしか村長には出来なかった。






――――――――――――――――――――


“ドンッ”


「ぐあっ!!」


“ドサッ”


「「「「「田茂さん!!」」」」」


 とうとう魔物の攻撃を防げなくなり、魔物の体当たりを受けた田茂輔は吹き飛ばされた。

 それを見て、周りにいた村人達はうろたえた。


「はぁ、はぁ、はぁ、ぐっ!」


「いやー、すごいですね。こんな小さな村にあなたのような強い方が居るとは思いませんでしたよ……」


 疲労と損傷で仰向けの状態から動けなくなった田茂輔に、本当はそんな事思っていない様子でホセが呟いた。


「まぁそろそろ飽きてきた頃だし、終わりにしますか……」


 ホセは魔物達にとどめを指すように指示を出した。


「はぁ、はぁ、くそっ! 所詮は、仕官できなかった、落ちこぼれ、せめて、村の危機くらいは、守りたかった……」


 抵抗する事も出来なくなり、田茂輔は諦めて魔物に殺されるのを待つしかなかった。


「ゲギャギャー!!」


“ザンッ!”


 倒れている田茂輔に魔物の群れが襲いかかろうとした時、魔物達を一閃する攻撃が放たれた。


「……、なにが……?」


「おじちゃん大丈夫!?」


「……え? 京子ちゃん?」


 あまりに予想外の京子の登場に田茂輔は鳩が豆鉄砲をくらったような表情になった。


「おやっ? 今度はお嬢ちゃんが相手してくれるのかな?」


 京子の登場に田茂輔同様驚いた表情で、ホセは質問して来た。


「許さない……」


 京子は小声で呟いた。


「はい?」


「絶対許さない!!」


“ボッ!!”


 京子は魔力を纏い怒りの表情を浮かべ、魔物達に向かって行った。



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― 新着の感想 ―
なんでだれもホセを攻撃しないの? 会話できるくらい近くにいるよね?
[気になる点] 魔力探知、主人公もできるのでしょう。村の異常にどうして気づかないの?
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