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第112話

すいません。気が付いたら先週投稿した部分が全部なくなっていました。どうしてだろ?

「ウグッ……!」


 俊輔の攻撃によって痛手を負ったネストールは、血を流しながらもゆっくりと立とうとするが、ダメージの影響なのか足元が覚束ないようで、木にもたれ掛かることでどうにか立ち上がることが出来た。


「…お前、何者だ?」


「何者と言われても……、俊輔だ、としか言いようがないな」


 弱った声で問いかけるネストールに対して、俊輔はあっさりとした口調で返事をした。


「……馬鹿にしているのか?」


 ネストールは、俊輔の態度に青筋を立てて話しかけた。


「別に……、まぁ、そう取られても構わないけれど……」


 俊輔は悪びれるなく答えた。


“ゴッ!!”


「……殺す!!」


 先程の攻撃を受けて、俊輔が相当な実力の持ち主だと悟ったネストールは、魔族としての本性を出すべく、全身から魔力を放出して変身をし始めた。


「チャンス!」


“バッ!!”


 魔族の変身は少しの時間が必要である。

 変身をし始めた事で隙だらけになったネストールに、俊輔は空気を読まずに攻撃をするべく地を蹴った。


「!? くっ、やれ!!」


 変身で動けないでいるネストールは、誰に言ったのか大きな声を上げた。


「えっ!?」


「ピッ!?」


“ババババッ……”


『!? 自爆!?』


“ズドンッ!!”


「俊ちゃん!?」


 変身で動けないでいるネストールが声を上げたのは、部下の男達に対してだった。

 京子やネグロと戦っていた男たちは、京子たちから離れて一気に俊輔に近付き、体内の魔力を爆発させ俊輔と共に爆発を起こした。

 突然の出来事に、京子は爆発した俊輔の身を案じて大きな声を上げた。


「ふ~い……、驚かせるなよ」


 爆発によって起きていた煙が収まると、無傷の俊輔が姿を現した。


「…………よかった」


 埃をかぶっただけで何ともない様子に京子は安堵の息を吐いた。


「これまたでかいな……」


 服に着いた埃を叩きながら俊輔は、変化したネストールの姿を見て呟いた。

 まだ変身途中にも関わらず、その大きさは先程倒したリンドブルム程のでかさになりつつあった。


「京子! アマンドさん連れて離れてくれるか?」


 どんどん魔力が膨れていくこの化け物と戦うには、皆を巻き込んでしまうかもしれない。

 そう感じた俊輔は、京子に離れてもらうことにした。


「……分かった」


 自分が足手纏いにだという事に若干落ち込みつつも、京子は俊輔の指示に素直に従い、アマンドを近くまで呼び寄せたアスルに乗せて、その場を離れる事にした。


「じゃあ、頑張ってね?」


 アマンドを乗せたアスルが走り出したのを見て、京子も俊輔に言葉をかけてその場から離れだした。


「あぁ! …………ネグッ! みんなの護衛を頼むな?」


「ピーッ!」


 京子のすぐ後ろに着いたネグロに対して、俊輔が仲間の護衛を頼むと、ネグロは了承の返事をして離れて行った。


「グルルルル……」


「さてと……、ちゃっちゃと殺っちゃいますか?」


 皆が去るのを確認していた間にネストールは変身し終わり、唸り声をあげていた。

 俊輔はそんなネストールに向かってゆっくりと近付いて行った。 


“バッ!!”


「!?」


 ネストールは、近付く俊輔に対し高速で距離を詰めた。


「逃がさん!!」


 それに対して俊輔が武器を構えたのだが、ネストールは俊輔を無視して京子たちの後を追った。


「!!? はや……」


 リンドブルムと同程度の巨体にも関わらず、あっという間に京子達の側に近付いたネストールは、肥大化した左手の爪で襲い掛かろうとした。

 ネストールのその速度は、京子の言葉が言い終わらないほどの速度だった。


「…………お前の相手は俺だっての!!」


「!!?」


“ボガン!!”


 京子に攻撃をしようとしていたネストールだったが、その攻撃が京子に届く前に、俊輔が間に割り込んで来た。

 そして、そのままネストールの攻撃に合わせるように、右手に持った太刀の長さの木刀で切りつけた。

 その攻撃が爪に当たり、ネストールの巨体を後方に吹き飛ばした。


「…う……ぐう…………」


 飛ばされたネストールは、空中で体勢を立て直して着地をした。

 しかし、変身して上昇した自分の速度に追いついただけでなく、パワーアップした攻撃をはじき返した俊輔の想像を遥かに超える実力に、ネストールは驚きと共に若干怯んだ声を出した。


「ふざけた真似するじゃねえか、ちょっと痛めつけるだけで済まそうと思ったけど、止めたわ……」


“フッ!!”


「!!?」


 俊輔が言葉を言い終わると同時に姿を消した事に、ネストールは目を見張った。 


“ベキッ!!” “ボコッ!!” “ドカッ!!”


 次の瞬間、どこからともなく現れた俊輔が、両手に持った木刀でネストールに連撃を食らわせた。

 あまりの速度に意識が追い付かず、ネストールは声を上げる事無くめった打ちにあった。


「ぐはっ!? ……こんな、バカな……!?」


 体の至る所を痛めつけられ、ボコボコになったネストールは、血を吐いて跪いた。

 本来の姿に変身したにも関わらず、一方的に痛めつけられる事が信じられず、ネストールは歯ぎしりしつつ俊輔を睨みつけた。


「貴様!! ぶち殺す!!」


「はい、はい……」


 怒りと共に立ち上がり、魔力を今まで以上に放出して、正に全力といった感じでネストールは俊輔に飛び掛かっていった。

 しかし、その莫大な魔力を見ても、俊輔は表情を変える事無く、それどこらか何ともないように迎え撃ったのだった。


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