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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第90話 みっきゅんの家はそのままらしい

 もしかして、みっきゅんがいるかもしれない!

 そんなことはありえないと思いながらも、イベント(同人誌即売会)の前日とかに、何度もお泊りしたみっきゅんの家を目指した。

 みっきゅんは実家住まい。私の会社から電車を2回乗り換えて40分の場所だ。

 一軒屋が立ち並ぶ住宅街。駅前に商店街の姿もない。

 懐かしい。

 ここから徒歩15分ほどでみっきゅんの家に着く。

 また、違う建物に変わっているのかな?公園のある交差点を右に曲がると、数メートル先に赤い屋根の家が見える。

「みっきゅんの家だ!」


 みっきゅんの家はそのままだった。

 思わず、駆け出す。みっきゅん、みっきゅん。

 みっきゅんに会えなくて寂しかったよ!みっきゅんとBL話できなくて……。

 あ、いや違う。BL話もしたいけど、まずはこの状況をみっきゅんに話したいよ。

 ラノベみたいに乙女ゲームの世界に転生しちゃったこととか、悪役令嬢で破滅フラグを回避しなくちゃいけないこととか……。

 オタクを隠すために、アニメもゲームも漫画も近くにない生活しなくちゃいけないこととか……。

 兄がバスケの王子様の都キャプテンの声にそっくりなこととか。その声で、名前を呼ばれる至福とか。

 幼馴染が京様ボイスで、兄とエロエロな会話(璃々亜脳内変換)を朝からすることとか……。おっと、違うな。違う。

 とにかく、いっぱい話したいことがあるんだよ!


「あれ?璃々亜さん?」

 みっきゅんの家まであと数メートルというところで、声がかけられた。

 振り返ると、そこには芽維たんの姿があった。

「偶然ですね!えへへっ」

 にこっと微笑む芽維たんの隣には、田中くんの姿がある。


「ご、ごきげんよう、芽維さん、田中くん……」

 かろうじて、声が出た。

 なんで、二人が一緒に?

 みっきゅんの家の近くに、なんで、二人が一緒にいるの?

 心がざわつく。動揺してる。心臓がバクバクしてて……。


「私の家、すぐそこなんですよぉ。あ、田中くん、荷物ありがとうね?」

「ああ、家まで運んどいてやるよ」

 田中くんは、そう言うと両手に重そうなビニール袋を持って歩いていった。

 ちらりと見えた中身は、ペットボトルの水だったり、ねぎだったり、肉だったりと、スーパーで買い物したようなものだった。

 二人で買い物?

 荷物持ちで連れて行かれるとか……。


 田中くん、下僕体質まっしぐら?


 田中くんの背中を複雑な気持ちで見ていると、みっきゅんの家の門をくぐった。

 

 え?

「あそこ……」

 前世でBL愛好仲間というか、親友のみっきゅんの家……。

「あそこが、私の家なんです。買い物から帰るときに、部活帰りの田中くんと偶然会って、荷物を運んでくれたんですよ」


 そっか。偶然か。

 そういわれて、初めて田中くんが制服姿で、スポーツバッグを持っているのに気がついた。

 偶然。


 偶然?


 この世界で始めて友達になった芽維たんが、前世で親友だったみっきゅんの家に住んでるのも偶然?

「素敵なお家ですわね……」

 懐かしい、みっきゅんの家。

 中はどうなってるんだろう。

「ありがとう。寄っていく?と言いたいところなんだけど、まだ引越しの荷物が片付かなくてとても人を呼べるような状態じゃないんだぁ。ごめんねぇ」

 そうだ、引越してきたんだ。高校入学のタイミングで……。

「前に住んでいた方は……?」

 もしかして、みっきゅんがいるんじゃないかって、そんなわけないのに……。

「さぁ?よく知らないんだ。璃々亜さんは、今からどこへ行くつもりだったの?それとも、どこかからの帰り?」

 

 みっきゅんの家を見に来たんだよ。

 今は芽維たんの家になってるその家を……。

 みっきゅんと同じ家に住む芽維たん。

 私たち、親友になれるかな?ねぇ、だって、偶然じゃなくて、運命だと思うの。


 もう、みっきゅんとは会えないんだっていう寂しさと、これから先の未来への希望を胸に、前を向く。


 さて。問題は、私がなぜここにいるかってことだ。

 みっきゅんの家、つまりは今の芽維たんの家を見に来たと言ったら……。

 なんで、家を知ってるの?

 なんで、家まで来るの?

 まさか!ストーカー!ってことになるわけで……。

 

 そうだ!


「隠れた名店といわれる洋菓子店のスイーツを買いに来たのですわ」

 有るかな?

 みっきゅんの家に遊びに来たときに何度か行った店。テレビでも何回か紹介されてるから、全然隠れてないんだけどね。場所が分かりにくいからそう言われてる。


 荷物を置いた田中くんが片手を軽く挙げながら、近づいてきた。

「おばさんに荷物渡しといたよ。何の話してたんだ?」

「璃々亜さん、隠れた名店のスイーツを買いに来たんですって!」

「ああ、もしかして、サトコのパイ屋か?」

 ふわっ。

 名前そのまんまだ。

 テレビで紹介されたこともあるから、前世とちょっと違ってるかと思ったら。……。やっぱり、権利の関係?うーむ。

「そう、そこですわ!パイがメインのお店なのですが、スフレチーズケーキが濃厚でとってもおいしいのです!」

 前世と同じならね。

「うわぁ、食べたい!私も一緒に行ってもいい?」

「ええ、もちろんですわ。イートインコーナーもあったはずですし、一緒にお茶をしませんこと?」

 やった!

 これはお友達と休みの日にお茶チャーンス!

 棚から牡丹餅!

「いいね!いいね!あ、田中くんもどう?荷物持ってくれたお礼におごるよ!」

 ふえっ、た、た、田中くんも一緒?

「あーっと、今日は妹のめんどう見なくちゃいけないから行けないや」

 そ、そっか。

「お茶は、また今度な!」

 と、田中くんは去っていった。


 また今度?


 芽維たんと?


 私と?


ども!まいどおなじみ富士ゆゆでございます。

いつもお世話になっております。ありがとうございます。


最後の2行を書いた瞬間、頭の中でトライアン○ラーが流れ始めましたー。

そ、そういえば、芽維たんは、あの緑の子にイメージ似てるかもしれない。だが、璃々亜は、黄色い髪の子には似ていない。

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