表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/563

第77話 この匂いは、カップラーメンらしい

 無事に割烹着をゲットして、お礼を言って手芸部を出た。

 で、今二人で、食堂でお茶飲んでます!むふっ。

 友達と学校帰りにカフェでお茶するなんて、めっちゃリア充!もうボッチじゃありませーん。

 

 まぁ、まだ学校の中だけどさ。

 カフェじゃなくて食堂だけどさ。

 お茶っていっても、ティーサーバーの番茶だけどさ。

 食堂は24時間営業じゃないから、部活帰りや朝に喉が渇いたら人用に、、ティーサーバーがあって、いつでも暖かいお茶と冷たいお水は飲めるんだけど……。

 自動販売機くらい置いてくれてもいいじゃない?と思うんだよねぇ。

 ランチ時間とはいちがい、放課後の食堂に人はまばらだ。

「うわぁ、勉強してるねぇ」

 いる人たちは、教科書やノートを広げて勉強している人が多い。しかも、持ち物から察するに”庶民”と呼ばれる人たちが多いようだ。

 ってことは、特待生?

 右を見ても、左を見ても、賢い人たちばかりってことかなぁ……。

 

 くんか、くんか!

 

 賢いエキスを吸収してやる!

 と、鼻から粋を吸い込む。

 

 うほっ!こ、こ、こ、この匂いは!

 カ、カ、カ、カップラーメン!

 いったいどなたなのですか?この高貴な学園内でカップラーメンなんて食べていらっしゃるのわ!

 うらやますぎるじゃないですか!


 思わず顔をぐるぐる回して、探す。あ、いた。

 おいしそうに食べてるわ。くぅっ。

 やば、目が合った。あんまりうらやましそうに見てたから、殺気送っちゃったかな?


「璃々亜さんは、部活どうする?金曜日だけ行く?それとも、他の曜日も行く?」

「んー、そうですわねぇ……1学期の間は金曜日だけにしようかと思っておりますわ。先生がいなくても何か作れるようになったら、他の曜日も行こうかと」

「ああ、そうだねぇ。私もそうしようかなぁ。毎日お菓子食べてたら本当に太っちゃうもんね!じゃぁ、当分は金曜日だけだよって田中くんにも言っておかないと」

 田中くん?

 そうだ、作ったお菓子を練習後の空腹時の足しにするって言ってた。金曜日だけで大丈夫かな?

 ……。本当は、お菓子くらい前世の知識でなんとでもなるから……毎日作ったほうが……。

 いや、だめだめ!

 今までまったくお菓子を作ったこともなさそうな璃々亜が、いきなりクッキーもケーキもシュークリームも、バームクーヘンもバンバン作ったら変だよ。うん、我慢しとこう。

 だいたい、芽維たんの言うとおり、味見と称して毎日食べてたら、本気で太る!

 あ、太っても別に構わないか?

 えーっと、モテたいわけじゃないし、白川家なら、服がサイズアウトしたらしたで買ってもらえそうだし。

 

 ん?でも、変装しにくいよね。

「あれ?あそこを歩いてる子、白川様じゃない?あの体系はそうだよ!あんなに太った子、他にいないって!」

 みたいな?……。うん、確かに、あんまり太りすぎても目立つよね。変装しにくいよね。

 っていうか、困る困らないの前に、ただでさえBL脳で女子力低いんだから、体系くらいは維持しないと、今までの璃々亜に申し訳ない。


「そうなると、他の曜日はどうしようね」

「芽維た……芽維さんは、どうなさいますか?他の部への掛け持ちとか、なさいますか?」

 あっぶねーっ!

 思わず芽維たんって言うところだったよ!

 芽維たんが他の部も入るって言ってもなぁ、なるべく攻略対象とかとの接触は避けたいから、私はお菓子部一つでいいや。

「んー、どうしようかなぁ。こうして、部活じゃなくて、友達とおしゃべりして過ごすのもいいね」

 にこにこっと何気なく、殺し文句を口にする芽維たん。

 友達とおしゃべりをして過ごすのもいいですって!

 聞いた?聞いたの、嘉久!

 あ、だから聞いてないのは知ってるけど。

 友達って、私ですよ!私!

「そうですわね」

 声、震えてない?喜びに胸が張り裂けんばかりの私!


 ん?そんな私の鼻に、こんどはカップ焼きそばの匂いが。

 誰?いったい誰なの?

 芽維たんの後ろのほうの席で、カップ焼きそばに青海苔振ってる男が。

 う、うらやましすぎる。

 あ、また目があった。やだ。殺気なの?私、殺気を発してるの?


「ここで勉強会とかもいいかもしれないですね」

 うんうん。あ、でも……

「私が芽維さんに教えてもらうばかりになりそうですわ……それでは、ご迷惑では……」

「人に教えるのも勉強になるんだよ」

 て、天使、芽維たん天使!

「ふふ、では、教えてもらうお礼に、何か甘いもの用意しますね!頭を使うと、甘いものが食べたくなりますから!」

「ええ、いいよ、いいよっ。お礼なんて。むしろ、私のほうこそ、璃々亜さんにはいっぱいお世話になってるから、お礼しなくちゃいけないのに……」

 ん?私、芽維たんのお世話なんてしてないよ?

 お世話してもらってるほうだよね?……謎の脅迫文回収とかしてもらっちゃってるみたいだし……。

「それにぃ、お菓子を食べ過ぎないように部活に出ないのに、ここで食べてたら結局太っちゃうよ?」

 くすくすと笑う芽維たん。

「ふあっ、ほ、本当ですわ!」


 勉強会やおしゃべりも、毎日じゃなくて、週に1,2回くらい、皐月たんとも話して決めようということになった。

 うん、そうだね。皐月たんも大切な友達だもん。茶道部には何曜日に行くのかなぁ……。


いつもありがとうございます。

芽維たん、璃々亜のおかげで、孤立せずにすんでるって自覚あります。

引越しして、友達がいない土地で、不安だったから、友達になってくれた璃々亜には感謝です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ