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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第69話 お菓子部に入部しちゃったらしい

 チャイムが鳴り、帰り支度のため席に戻る。

「白川様、色々と勉強になりましたわ!私も、白川様のように頑張って見識を広めたいと思います!」

 席まで、ピーターパン相原さんがついてきた。

「世間との常識とのずれを自覚する必要性を、あのように事業拡大と結びつけて具体的に示される白川様には感服いたしました。流石は白川家のご息女様としか申し上げられません」

 と、相模委員長が目がねをくいくい上げながらついてきた。

 感服とかしなくていいから。単なる思い付きを口にしただけでさ。みんなそんなことの一つや二つ思ってるよ?不便だなー、こういうのあるといいなぁーってことくらい。

 ソバカス相良さんもついてきた。

 相沢くんと相撲くんじゃない、轟くんも。

 え?なんでぞろぞろと私の後をついてくるの?

「白川生徒会長が、委員会で今年は1年生歓迎会でネズニーを貸切にはしないと言い出したときは、失礼にも生徒会長の資質を疑ってしまったのだが……」

 へ?

 相模委員長、貸切にしない案は、私だから。お兄様の資質が疑われたなんて……申し訳ないことをしてしまった。

「貸切では、貴重な体験をする機会を失ってしまうという考えからなのだろうと、白川様の言葉から思い直しました」

 ほっ。よかった。兄の名誉が守られた。

「そうですわね。貸切にしては、普段のネズニーの様子が分かりませんもの。将来、デートで女性をエスコートすることなったときに困りますものね?」

 ふふっ。と笑っておいた。

 本当は、貸切で閑散とした夢の国を想像したら全然楽しそうじゃなかったから提案してみただけなんだけどね。

「で、で、で、デート!」

 相模くんが素っ頓狂な声を上げる。その後ろで相沢くんと相良さんと相原さんと轟くんも口を押さえたり、顔を赤くしたりしてる。

 あれ?お嬢様お坊ちゃまって、純情なの?それとも……もしかして、すでに許婚とかがいて、デートっぽいデートしないとか?

 それとも、ネズニーはデートに使うような場所じゃないって認識?

「し、白川様は、その……、殿方とデートをなさったことが?」

 ふえ?

 わ、私?

「さぁ、どうかしら」

 笑ってごまかす。

 だって、覚えてないんだもんっ。高校の入学式の前の璃々亜の人生まるっきり覚えてないんだもんっ!

「ば、ばっか、なんてこと聞くんだよ!」

「白川様だぞ?デートくらい」

 ぼそぼそという相軍団。

 えーっと、孤高の女帝だったから、たぶん、デートもしたことないと思うんだけどなぁ……。

 まぁいいや。


 先生が教室に来たので、チーム相は席に戻っていった。


「くふふっ。璃々亜さん、ずいぶんと先ほどのグループの方と仲良くなりましたね」

「え?」

 帰りの会も終わりると、芽維たんが話しかけてきた。

「そう見えましたか?」

 あれが、仲がいいっていうの?

「デートの話とかしてたじゃないですか?」

 んー、成り行きでデートの話が出ただけで、別にデートの話をしようと思ってしたわけじゃないんだけどなぁ……。

 って、待って、

「本当に、仲良くみえました?」

 もしかして、仲良くなれるんじゃない?

 友達を増やすチャンスってやつじゃない?

 おお、なんてこった!つい、そっけなく会話を終わらせてしまったよ!


 お菓子部では、きっちりとパティシエの服に着替えた人が何人かいる。

 上の服は白いコックシャツで、臙脂色のボタンがついている。そのボタンと同じ色の、細身の長いエプロンを腰からつけている。ズボンは黒。

 そして、同じく臙脂色のスカーフを首に巻き、頭にはあまり高すぎないコック帽をかぶっている。

 慣れた手つきで泡立てたり、粉を振るったり、お菓子作りをしている。

 その一人に目がいった。

 キリッと切れ長の目。鼻筋が通って、コック帽から少しだけたれた前髪が額にかかっている。

 真剣なまなざしで生地の混ざり具合を確かめている。

 小柄だけれど、かっこいいオーラが出てる。見学したときにはいなかったよね?……攻略対象の可能性が無くもない感じなんだけど……。

 ぱっと顔を上げたその人が、戸口に立っていた私と芽維たんを見た。

「白川さん、鈴木さん、いらっしゃい」

 ふわっ。

 声が、女性だ。

 そして、聞いたことがある声。


「東章子様……?」


 ぬあんと、生徒会副会長の東章子先輩だぁ!めがねはずして髪の毛束ねてパティシエ服着たら、ちょっとしたイケメンだよっ。

 こ、これ、男装系攻略対象?そんな枠まであるの?

 まさかの……展開……。

 ど、ど、どうしたら……。


「見学?それとも、入部かしら?入部してくれたら、嬉しいんだけど」

 にこっと章子お姉様が微笑んだ。やばい。男装の麗人、いいかも!

 いやいや、違う違う。

「章子様は、お茶会部だったんですね!」

 芽維たんはまったく動じていない。

 そうか、芽維たんには男装の麗人っていう攻略対象は影響なしか。うん、だったら大丈夫かな?

「ええ。生徒会が忙しくて、月に1度くらいしか顔を出せないけれど……。でも、今日から生徒会に一人優秀なお手伝い君が入ったからこれからはもう少しは顔を出せるようになると思うわ」

 ん?優秀なお手伝い君?

 それって、嘉久のこと?


 うげっ。そうか、章子様が攻略対象じゃないとしても、生徒会の一員ってことで、つながりがどうしても深まっちゃうんだ……。

 どうしよう、やっぱり別の部に入部しようかな。兄はいいとして、章子様が嘉久の話題を出すと、何と言えばいいのか困るし……。


「はい、二人とも入部です!よろしくお願いします!」

 にこっと笑って芽維たんが答えた。


 わーっ!後戻りできないっ!


ありがとうございます。

まさかの、章子様が男装の麗人枠とか。

いや、璃々亜さんの思い込みかもしれません。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 芽維のセリフ「章子様は、お茶会部だったんですね!」はお菓子部の間違いな気がします。
[気になる点] 章子様、お茶会部ではなくてお菓子部なのでは?
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