エイプリルフール番外
本編とは関係ありません
「ねー、はるる、見てよこれ!」
あれ?みっきゅん。
私、夢を見ているのかな?
「なんで、みっきゅんがいるの?」
目の前には生前の親友みっきゅんの姿がある。
「は?おーい、いくら神同人誌に没頭していたからって、現実に戻ってこーい!」
みっきゅんがチラチラと私の目の前で手を振る。
神、同人誌?
視線を落とすと、手元には、尊き神の作りし神器が!
「や、何、これ、尊みが半端ない……」
やばい。
え?なんで?
みっきゅんが目の前にいるのも信じられないけれど、BL同人誌がなんであるの?
璃々亜がBL同人誌なんてファミレスで手にしてるのを誰かに見られたらやばいよ。
と、きょろきょろと知り合いに見られていないかチェック。
「ん?なんで、みんな姉と弟みたいになってんの?」
右を見ても左を見ても店員さんも、マスク、マスク、マスク。
「あはは、はるる、大丈夫?それ言うの久しぶりだよね。あの人弟にそっくりとか姉みたいとか。マスク顔チェックしてたもんね。ジャージにマスク眼鏡のコスプレがコスプレとして認知されなくなるとか」
えっと、全然話についていけない。
というより、みっきゅんがはるるって言ってる。
私は今は璃々亜だよ?
でも、みっきゅんにとっては私はずっとはるるなのかな。
それにしても、ちょっと記憶が飛んでるけど、この世界って、日本と版権の関係で微妙に名前とか変更されてる部分もあったけど、そのままな部分もあったから。
もしかしたらみっきゅんもいるかもしれないと思ったけれど、本当にいたんだ。
それで、またこうして友達になって、一緒に腐女子トークしたりできるんだ。
嬉しいな。
「はー、だけど、3回も続けて夏コミ冬コミ……それに春コミも全部イベント中止だし。コスプレどころじゃないよねぇ」
は?
夏コミ、冬コミが、中止?
何が起きているの?
記憶が飛んでいて全然分からない。
「璃々亜、こんなところで寝てしまうと風邪をひいてしまうよ?」
う、都キャプテンの声だ。
何?京にこんなところで寝てると風邪ひくって言ってる?
ああ、脳内で寝ている京にこっそりチュってする都キャプテンの姿が見えます。
「仕方がないな」
何が仕方がないの?
ふわりと浮遊感。
「ふふ、璃々亜はいつまでも子供だね。ベッドまで運んであげる」
ちょ、京様をベッドに運んで都キャプテン何する気だ?
「お腹空いたーって、璃々亜、どうかしたのか?怪我とかで歩けないのか?」
「ああ、違うよ。本を読んでいるうちに眠ってしまったみたいだから。部屋に運ぶところ」
ん?あれ?
京様の声も聞こえ始めたけれど、京様が運ばれていくわけではいの?
何だよ、つまんないな。
ぱちりと目が開く。
うわぁ、イケメン。
イケメンの顔が至近距離に。
って、お兄様だわ。
なんで、こんなに顔が近いの?
あれ?私、お姫様抱っこされてる。
ん?みっきゅんは?
神器であるBL同人誌は?
きょろきょろとあたりを見回すけれど、みっきゅんの姿も無ければ、同人誌もない。
リビングのテーブルの上に広げられているのは、お菓子の本だ。
ああ、お菓子部の東先輩が進めてくれた基本のお菓子作りの本……。
夢……だったのか。そうだよね。花粉症のシーズンとはいえあれほどマスク姿の人ばかりとかあるわけないよね。それに夏コミや冬コミが中止になるなんて、ありえないよ。
早くコロナが終息しますように。
マスクと手洗いは終息後も苦痛じゃない人は続けていくといいですね。
コロナは終息していないけれど、インフルエンザがほぼ息をしていないそうなので、助かった人もいるでしょう。
さて、この話の中には「マスク越しのキス」描写が出てきますが……コロナ禍では危険なのでやめましょうね!マスクに触れるのもダメとか言ってんのに、マスクしてりゃ大丈夫とかじゃないですからね!
と、念のため。いや、だって、書いてるときはこんな時代が来るとは思ってないから。
コロナの話を書くことには戸惑いもありました。某小説サイトでは削除対象となっているナイーブな話です。現代に近い世界である璃々亜たちですが、今回の話をもって「日本とは違ってコロナ禍にはなっていない」ということをお伝えします。なので、あちらではイベントが中止にならないし、マスクしている人はそこまで多くないしマスクの正しい扱い方はしておりません。顎マスクだろうが鼻出しだろうが、使い終わったマスクをビニール袋に入れて捨てるとかもしないです。と、いうことで今後マスクシーンが出てきたときに、不適切だと思われるマスクの扱い方を書いてあるというご指摘はご遠慮ください。
ってこんだけ言っておいても、まだ更新予定とか立たないのだー。ごめんね。
まぁ、相変わらずな生活はしてますよ。




