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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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弟視点 後編

「そう……。もし、姉がファンなら……。僕は、その……姉が会いたいっていうなら、三笠蔵……会わせてあげる……けど……」

「ありがとうね。弟。でも、私は三笠蔵様に会いたいと思ったことないよ」

 そうなんだ。

 会いたいと思ったことがない?

 それは……興味がないだけ?それとも……。

 それとも、姉は、三笠蔵が嫌い?

 ……ズキン。

 知っている。僕は……。

 三笠蔵は女子に人気がある。いつも周りには声をかけてもらいたくてたまらないといった様子の女子たちが取り巻いている。

 だけど、その一方で、そんな三笠蔵を嫌っている女子がいることも。

 ……。

 もしかして、姉も、ちやほやされてる三笠蔵が嫌いなの?

 好きで、女どもが寄ってきているわけじゃないのに……。

 怖くて、聞けない……ああ、そうだ、そういえば……

「でも、今、探しているって」

 嫌いなら、探さないよね……。

「あー、そうでした。会いたくないけど探していたんだ」

「会いたくない?……姉は、三笠蔵に、会いたくないの?」

 会いたくない?

 それは……。

 どうしよう。

 姉、嘘だと言ってくれ。

「私は……三笠蔵様だけじゃなくて、皆に人気のあるような人には興味ないよ?弟なら分かるよね?」

「え?」

 人気者に興味はない?

 僕に分かる?

 分からないよ。

 姉がどうして三笠蔵に興味がないのか。

 うん、でも、それはいいことなんだ。三笠蔵にしろ、生徒会メンバーにしろ、そうだ、高円寺とかいうやつにしろ、家柄や顔や頭や……そいう表面上のことできゃーきゃーいうような女じゃない。

「三次元よりも二次元だもん」

 その言葉に、弟の僕のことも眼中にないと言われたようで、胸の奥がぎゅっと痛んだ。

「……そっか。姉は……、今はまだ、三次元には興味がないんだ……」

 僕だってそうだったじゃないか。

 落ち込む必要なんてない。

 僕だって、僕だって姉に会う前は、まさか人間を好きになるなんて思ってもいなかった。

 姉だって、きっといつか、2次元じゃなくて、3次元の僕を見てくれる日も来る。

 それまで、他の人間を好きにならないだけいいことじゃないか。

「弟は、三次元も二次元も行ける口?」

「ぼ、僕は……僕は……」

 どうしよう。

 気持ちを伝えるべきか、伝えると引かれるだろうか……。

「姉……僕は、その……、女子はニガテなんだ……だから、でも、姉のことは……」

「ありがとう。女子はニガテなのに、私とはちゃんと話をしてくれるよね。良かった。オタクで良かった」

「あ、」

 ……姉が好きだと、僕は、僕は伝えたいんだ。

「私、弟が好きだもん」

「え?あ、姉、それって」

 両想い?

 姉も、僕のこと好きって……!

 あ、駄目だ。足ががくがくする。今すぐドアを開いて、姉を抱きしめたいのに。

 何だろう、全身が震えて、動けない。

「弟とイベント行ったり、弟とオタク話に花を咲かせたり、そういうのすごく幸せ。オタク友達いなかったから、弟と友達になれて本当に幸せなの。だから、女子っていうだけで私も避けられたりしなくて、本当に良かった」

 ……あっは、そういうことか。

 姉の好きは、男女のそれじゃなくて……。

 がくりと、膝から力が抜け、床につく。

「……そ、そう……」


いつもありがとうございます。


ふふふ。いつも痛いこと考えている弟が、姉に好きだと言われて全身震えて動けないとか、可愛いところもあるじゃろう。

わははは。

しかし、姉の言葉は凶器だな。そして弟は狂気に満ちてる。弟ファンの皆様が狂喜してくださっているといいのですが。

ではでは!

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