↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

548/565

第446話 三笠蔵はいなかったらしい

弟出てきますが、ドア越しなのでさほど変なこともしないですが、それでも苦手だという方は飛ばしてください。

「姉、本当に、姉なの?」

「うん。元気?さっき、何か大きな音がしたけれど、大丈夫?どこか傷めたりしてない?」

「大丈夫。うん、えっと、あの……僕に会いに来てくれたの?」

 へ?

「偶然会えてうれしいけれど、三笠蔵様を探していたの」

「あ、そうか、そうなんだ……えっと、三笠蔵……さまに、何の用なの?」

 弟の声が少し冷たくなった気がする。ああ、そりゃぁ、弟に会いに来たんじゃないって言ったからかな……。

「姉は、彼の……ファンなの?」

「違うよ」

 そうだった。三笠蔵といえば、ファンの多い人気者だ。

 ……うっかり、勢いで探しに行っちゃったけど……。攻略対象と思われる人物だった!

 やばい、思わず接触しちゃうところだった!

 セーフ、セーフ。

 破滅フラグ回避しないといけないのに、自分から攻略対象に近づいていくような危険な真似しちゃうところだったぁ!

 やばかったぁ!やばかったぁ!

 はー。

「そう……。もし、姉がファンなら……。僕は、その……姉が会いたいっていうなら、三笠蔵……会わせてあげる……けど……」

「ありがとうね。弟。でも、私は三笠蔵様に会いたいと思ったことないよ」

「でも、今、探しているって」

 ギクッ。そうでした。

「あー、そうでした。会いたくないけど探していたんだ」

「会いたくない?……姉は、三笠蔵に、会いたくないの?」

 ちょっと落ち込んだような弟の声。

 攻略対象には近づきたくないからねとは言えない。

「私は……三笠蔵様だけじゃなくて、皆に人気のあるような人には興味ないよ?弟なら分かるよね?」

「え?」

「三次元よりも二次元だもん」

 弟からすぐに返事はない。

「……そっか。姉は……、今はまだ、三次元には興味がないんだ……」

 ん?

 あれ?

「弟は、三次元も二次元も行ける口?」

 ぶっちゃけ、私の前世、ずっと三次元の男性に恋することなく終わったよ。

 オタク友達の中には、二次元と三次元と両刀な人もいたけど。

 結婚して子供産んで……そうそう、コミケの時に子供を預かる保育所を開設する運動とかし始めてたな。どうなったのかな、あれ。

 ……みっきゅんも私と同じように、三次元に興味がなくて、親にお見合いとか進められて閉口してたけれど……。

 今頃どうしてるのかな。

 私が死んじゃって、寂しい思いしてないかな。誰か、私の代わりに仲良くなれる人が現れるといいな。

 私は、弟というオタク友達を見つけることができた。

「ぼ、僕は……僕は……」

 弟がどもっている。

 うーん。まぁ、女子と違って、男子って難しいとこあるよなー。どこまで三次元行けるかいけないかって、付き合う以外にもエロ本のグラビア写真はありかなしか、みたいなさ……。

 別に、私は三次元には興味ないといいつつも、三次元エロ本見てたって最低だとは思わないけどな。

「姉……僕は、その……、女子はニガテなんだ……だから、でも、姉のことは……」

 そっか。

 女子が苦手なんだ。分かる。

「ありがとう。女子はニガテなのに、私とはちゃんと話をしてくれるよね。良かった。オタクで良かった」

「あ、」

「私、弟が好きだもん」

「え?あ、姉、それって」

「弟とイベント行ったり、弟とオタク話に花を咲かせたり、そういうのすごく幸せ。オタク友達いなかったから、弟と友達になれて本当に幸せなの。だから、女子っていうだけで私も避けられたりしなくて、本当に良かった」

「……そ、そう……」

 小さな声で返事が返ってくる。

 力のない声。

 どうしたんだろう?何か、あったんだろうか?

 まさか、こんなところに1人で籠っているのも、女子に嫌な目にあわされたとか?

 オタクってだけで、クスクス笑ったり、平気で傷つける人ってすごく多いんだよねっ。

 そう、この学校だと「庶民いじめ」みたいなのが、他の学校だと「オタクいじめ」みたいなのにすり替わったりする。

 何もしてなくたって、迷惑かけてなくたって「きもーい」「やだぁオタク」「寄るなくせぇ」とかさ。

 イラっとしてきた。

 まさかしなくても、女子が苦手って、そういう理由でなの?

 むっかぁ!

 弟を馬鹿にするなんて、私が許しませんっ!いったい、どこの誰なの!弟を馬鹿にするのは!

 って、ダメだ。

 今の私には、弟を守ってあげることはできない。

 私の正体を明かすわけにはいかないし、弟の正体を知るわけには行かない。

 大切な弟なのに、何も、してあげられない。

 ごめん、ごめんね……。

「弟、私に、何かしてあげられることはない?」

「手……」

 手?

 あ、そういえば、手をつなぐことならできる。

 ドアを少しだけ開いて、隙間から手を差し入れる。お互いの顔が見えないようにドアに張り付くようにして手を入れた。

 カシャ。

 ん?何の音?

 すぐに手のひらにぬくもりを感じる。

 弟の手だ。

 ぎゅっと、弟の手を握る。

 ごめんね。守ってあげられない。でも、私がいるから。

 一人じゃないよ?


ご覧いただきありがとうございます。

ひゃはは。弟唐突に出てきましたねー。

想定外でした。誰かが呼び込んだとしか思えない……。

それにしても、弟よ……おまえ、なんかな、


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。