表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

547/563

第445話 三笠蔵に会うらしい

 クラスのために一生懸命やった結果が……。

 大ボスに恥をかかせて首ちょんぱとか、そんなのが許されるわけない。

 確かめなくちゃ。もし、本当に三笠蔵って人が「よくも5組の立場を悪くしたな」と須賀さんに対して思っているなら……。

 いいえ、違う。何も思っていなくても、何も行動してなければ問題だ。

 こうして、3組の人たちが噂するくらいだもの。

 三笠蔵って人は、須賀さんが立場をなくさないように一言言わなければならない。

 今回はこんな結果だったけれど、ありがとうとか……そんな感じのことを。それが、きっと、人の上に立つ者の役目だ。

 何とも思っていないというだけの態度じゃだめなんだと思う。

「あら?璃々亜様、どちらへ?」

「少し用事を思い出しましたの。皆さまで話を続けてくださいませ」

 ネズニー日取りとかの話し合いはみんなに任せる。

 いつになっても、私、別に何の予定もないからね……。

 と、友達が少ないからとか、そ、そういうんじゃ、ないんだからっ!ぐすっ。

 おっと、落ち込んでる場合ではない。

 5組の教室へと足を運ぶ。教室の中をさらりと覗き見るけれど、須田さんの姿はない。

 もしや、もう、教室にはいられなくなってしまったとか?

 今は昼の時間だから、単に食堂へ行っているだけ?

 三笠蔵はいるかな?

 って、顔知らないから、教室の中見たって、分かるわけないか。うーん。

「白川様、どうかなさいましたか?」

 教室の入り口でたたずんでいると、声がかけられた。

 5組の図書委員の子だ。

 うわーい!

 そうだった、そうでした!

 私、他のクラスにも友達いたんです!

 ……え?ただの委員会仲間だって?まだ友達っていうほど親しくはないだろうって?ぐ、ぐ、ぐぬぬっ。

 ぐぐぐぐ、ぬぬぬっ。で、でも、こうして声をかけてくれる存在がいるんだもんっ!もん!もんっ!

「三笠蔵様はいらっしゃいますか?」

「え?三笠蔵様ですか?」

 びっくりした顔されちゃった。

「いつも、お食事は一人でとりたいということで、その、教室や食堂ではなく、使われていない教室を利用しているようですけれど……」

 そうなんだ。

 そういえば、前にもどこかでそんなこと聞いたような、聞いてないような。

 ボッチな私に対して、自らボッチになりたいとかいう贅沢な人間め!と思ったような、思ってないような……。

「そうなんですのね。では、どこにいらっしゃるかはご存知ありませんわよね……」

「噂では、社会科準備室や、音楽準備室を使われているとか……」

 ふむ。準備室系か。本来なら教材を取りに行くときにしか使わないし、用のない生徒なんて立ち入りできなくないか?鳳凰学園ではそうじゃないのかな?

「あの、戻っていらっしゃいましたら、三笠蔵様に白川様がご用がおありだとお伝えいたしましょうか?」

 親切ないい子なのー。

 でも、それって、白川が呼んでるぞ的な感じで、呼びつけるとは何様のつもりだとかそう思われても困るよな。

 どんな人間か分からないけど、須賀さんを居づらくさせても平気な俺様だったりすると……。

「いえ、結構ですわ。ありがとうございます。では、また委員会で」

 にこっと笑って5組の前を立ち去る。

 あ、待てよ?

 もしかして、三笠蔵のファンで、私が来たってことを伝えることを口実に話しかけたかったとかじゃないよね?

 だったら、協力したんだけど……。友達大事!

 だから、友達なの!委員会仲間から友達になるんだもんっ!


 えーっと、準備室ってどこにあったんだっけ?

 ほとんど使わないから場所の記憶が曖昧だ。

 と、人気のない校舎を進むと、社会科準備室と書かれた教室が目に入った。

 ドアはビッチリ閉まっていて中は見えない。

 ノック。

 コンコンっとな。

 しばらく待つけれど、返事はない。誰もいないのかな?

 聞こえなかったとか?

 ドアノブに手をかけて回すと、鍵はかかっていない。

 ガチャリと音が鳴ると、部屋の中でごそっと誰かが動いた音がした。

 あ、人がいた。

 ドアを開けるのはやめて、もう一度ノックから始めることにする。

 いや、だってな、人目を忍んで恋人たちが抱き合ってたりしたりするのを目撃とかやだもの。

 まだ、抱き合ってる程度ならいいけど、まさかのまっさいちゅうとか……げろっとな。

 考えたくもないけれど、同人誌ではよくあるのです。はい。

 ……。おっと、今はそれどころじゃない。

 コンコン。

「三笠蔵様はいらっしゃいますか?」

 ドアの外から声をかける。

 ガタン、ゴトッと、激しい音が聞こえる。

 うえ?

 焦って、何かを落とした?ぶつかった?

 どうなってんの?

「あ、姉?」

 はい?

 今の声は……!

「まさか、弟?」

 え?なんで?

 なんでじゃないか。

 そういえば、前にもこんなことあった。うん、会ったよ。

 はー、やばかった。

 白川と申しますがとか名乗らなくて良かった。


ご覧いただきありがとうございます。

次回、とうとう、璃々亜VS三笠蔵

に、なるかは分かりません。お楽しみに?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ